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ガイアックスグループでは、アディッシュ仙台株式会社が、仙台に拠点を持っており、数百人のメンバーが働いている。
東北大震災の際に、当然に被災をしたわけだが、仙台はアディッシュの重要拠点であり、その拠点で行っていた多くの責任ある業務を止めるわけにもいかず、とはいえ、通勤ができない人や、働いてくださっている一人ひとりが生活のための物資の入手も困難で、すごく大変だった。

その際に、本当に、多くの方に助けていただいた。

 

たとえばだけど、(書いちゃっていいのかダメなのか分からないけど、でも、時効だと信じて無断で書いちゃうけど。)
西濃運輸さんに頼み込んだところ、偶然、調整できるトラックとドライバーさんが手配でき、震災直後で道も仙台まで届くかどうかわからないようなところ、トラック丸々一台分の救援物資を現地に運びこむ挑戦をしてもらって、無事になんとか、超特急で運び込んでくださった。

良くないよね、こういうの。西濃運輸さんとは、特別、何かそこまで太い取引をしてたわけじゃないのに。普通の事務所オフィスとしての取引だけだったのに。そこまでしてもらって。返す言葉がない。

百歩譲って、運んでもらったことがいいとしても、許せないのは、イレギュラー対応だったからって言って、料金を受け取られない。こっちだって、ちゃんとした会社なんだから、払えるっつうに。本当に良くないよね。

せめて、せめて、お礼に参らせていただこうと思って、がんばって配送センターの所長さんにアポを入れようとしたら、下記の返事が。

 拝啓、平素は格別なるご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度の東北地方太平洋沖地震の被害に受けられた皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。

お気持ち有難うございます。

弊社と致しましても、社会の大動脈である物流事業という使命を果たすべく、この度の震災に対し出来る限りの力を果たさなければならないと所員一丸となって、当たり前の事を当たり前にしているだけでございます。
輸送ルートも完全な復旧にはなっておりませんが、全力を挙げて取り組みたいと思います。
物流に携わる者として、当たり前の事をやっていると思っておりますので、わざわざ、お伺いいただくのは大変でございます。

弊社をご利用頂きまして感謝させていただくのはこちらの方でございます。お気持ちだけ有難く頂かせて貰います。少しでもお役に立てて幸いです。誠に有難うございます。

意味が分からない。
お礼を言われる筋合いは、どこから見ても、明らかに、無いな。
ほんと良くないよね。こういうの。

 

 

今、ガイアックスでは、シェアリングエコノミーの事業を複数、展開している。
僕は、シェアリングエコノミーで、震災の困りごとに役に立てることが、必ずあるはずだと思っている。

ニュースでも流れていたが、Airbnb社とAirbnbのホストが、被災された方が無償で泊まれるように宿泊場所を提供された。
Airbnb社は、震災後、数時間後に、意思決定して、告知を開始したらしい。そもそも、熊本で、登録されていた物件の数が多いわけじゃないし、Airbnb関係の方ですら、こんな物件が少ないと・・っていう感じだったものの、実際は、マスコミに取り上げられることで、「無償で泊まっていいよ」という多くの方から、急激に物件が登録され、物件登録数がかなり増えたらしい。まぁたしかにそうだろう。

シェアリングエコノミーのマルチサイドプラットフォームの特性はすごい。
ホストとゲストと、両建てで伸ばさないといけないサービス構造であるが、逆に言うと、ポジティブスパイラルが利いてくるビジネスであるわけで。
このAirbnbの取り組みを見て、何もないからと言って、何もしないのは、間違っているんだと強く感じた。何もなくても、動くべきなのである。ポジティブスパイラルが発生するところまで、辿り着くべきなのである。

そして、何より、この経営判断の早さはすごい。Airbnbという数兆円の時価総額の会社がこのスピードで意思決定してきているわけなのだ。ガイアックスみたいな小さなベンチャー企業の判断のスピードが、まったく敵わない、、というのは、本当に恥ずかしい。
数時間って。

対比すると、本当に恥ずかしい。
すみません、としか言えない。

 

僕たちは、もっとシェアリングエコノミーで、役に立つべく動いていかなければならない。

そもそもシェアリングエコノミーの理念は、
「資本主義社会の結果、そこら中に、だぶついた余裕があって、それを脳と脳をつなげるだけ(=効率化するだけ)で、その余裕が、適切に必要としている人にシェアされて、結果、お困りごとが瞬殺で解決されていく。」
ということで、まさに、いまこそ、このシステムが必要とされているはずなのである。

いろいろ不足しているっていうことだし、たしかに不足しているのだとは思うが、これまでの資本主義社会の「物を所有しろ!」というプロパガンダのおかげで、僕達は、今、たくさんのものを所有しているわけで。
その所有で余っているものや貸せるもの、使っていない・余裕な時間やスキルなどの余地などを、有効活用するだけで、いろいろなお困りごとが、どんどん、その場で解決していくのは、間違いないだろう。

人によっては、「でも、シェアリングエコノミーで、多くの人が助かった、なんて、そんな前例は日本にはないよ」と言うだろう。もちろん、前例はない。だからこそ、その前例こそを私達が作らないといけないのだ。

僕達の仕事は、「広める」ことなのではなく、「事例を作って、広める」ことが仕事なのだ。「仕組みを作って、広める」ことが必要なのだ。
ガイアックスは、シェアリングエコノミー協会の代表理事会社でもあるわけで、僕達こそ、率先が必要である。

 

たとえば、投資先のnotteco社では、「相乗り」のサービスを提供している。

nottecoの事務局にもいくつかの相談が届いている。たとえば、熊本にいるおばあちゃんが交通手段がなく、もっと安全な場所に移動するのに、送迎をしてくれる人を探している、という相談とか。こういうニーズはたしかに多くあるだろう。

また、もうすぐ、一般のボランティアの方が現地に入れるようになるが、移動手段がなく、ボランティアに行けない人も多いだろう。そういう方に移動手段を提供しなければならない。その一方で、車で現地入りする人も多く居て、現場で、車が溢れるようになることが明白である。
だからこそ、熊本に現地入りするボランティアの方同士が、「相乗り」で現地入りすることができるようにするべきなのだ。現在、急ピッチで準備をしている。

http://cp.notteco.jp/news20160415-825.html

 

きっと、こんなことはいくらでもあるはずなのだ。

ガイアックスグループでは、複数のシェアリングエコノミー事業をやっているわけで。10を超えるシェアリングエコノミーの会社に投資をしているわけで。
それぞれが、しっかりと現地のニーズに沿った形でサービスを組み立てさえすれば、ものすごく助かる、ものすごく意味のあることが、いくらでもあるはずなのだ。

昨日まで機能していた、資本主義社会をベースに組み立てられたいろいろなサービス、企業が提供する商取引ベースのサービスが、震災で混乱をして、機能停止していることも多いのだろう。シェアリングエコノミーには、それをカバーできることが、いろいろあるはずだ。

 

気持ちが、すごく焦る。

数時間で意思決定してくる大手企業がいるのに。
過去に事例が無いからって、まったく言い訳にならないし。
今の世の中で、もっとも重要であるシェアリングエコノミーという産業の協会の代表理事という立場に居て、実際に複数のシェアリングエコノミー事業をやっていて。そんな立場なのに。

でも、多くのトライを動かしてはいるが、でも現地のニーズにフィットした形でサービスを組み立てなければ、まったく意味ないし。逆に現地の方にご迷惑を掛けることもあるだろうし。読み切れないから行動するのが本当に怖い。

焦る。
すごく焦る。

何より、一番焦る理由は、東北大震災の際に、多くの方に無償の手助けを頂いておきながら、今、こんな立場に居て、社会に役に立たない会社であってはならないということ。

 

弊社と致しましても、社会の大動脈である物流事業という使命を果たすべく、この度の震災に対し出来る限りの力を果たさなければならないと所員一丸となって、当たり前の事を当たり前にしているだけでございます。
輸送ルートも完全な復旧にはなっておりませんが、全力を挙げて取り組みたいと思います。
物流に携わる者として、当たり前の事をやっていると思っておりますので、わざわざ、お伺いいただくのは大変でございます。

弊社をご利用頂きまして感謝させていただくのはこちらの方でございます。お気持ちだけ有難く頂かせて貰います。少しでもお役に立てて幸いです。誠に有難うございます。

 

「当たり前」だってさ。
本当、勘弁してよ。

あー。こんな時期に、当時のこんな返事を、読み直さなければ良かった。

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