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1995年にWindowが日本で発売されてから現在に至るまで、「インターネット革命」と言えるほどに世の中は大きく変わりました。ノートPCが普及し、スマートフォンが普及し、現在ではインターネットと我々の生活は切っても切り離せない関係になっています。そして、ソーシャルメディアが台頭しFacebookやYoutubeなどさまざまなSNSプラットフォームが出現しました。ガイアックスは1999年の、日本でのインターネット普及率がまだ20%台だった頃からITビジネスをしてきました。長い経験の中、過去にどのようなことがあり、今はどのような時代で、これからどのように変遷していくのかについてお話しします。

重枝義樹

ソーシャルメディアマーケティング事業部・事業責任者
ガイアックスではSNSを中心に企業のマーケティング支援がメインの業務。公式アカウントの運用支援から、従業員のSNS活用、口コミ創出、データ分析を幅広く手掛けている。そもそも論好き。ガイアックスソーシャルメディアラボYoutube:https://www.youtube.com/channel/UCbqO0pVcIUkiAuOkYs48HHQ

公式サイト: https://gaiax-socialmedialab.jp/
Twitter: @https://twitter.com/SGDYSK

上田祐司

株式会社ガイアックス 代表執行役
ガイアックスでは、「人と人をつなげる」をミッションに、ソーシャルメディアとシェアリングエコノミー事業を展開。また起業家が集うスタートアップスタジオという側面も持ち、社会課題を解決するための事業づくりサポート、投資を行う。シェアリングエコノミー協会代表理事。

公式サイト: https://www.gaiax.co.jp/
Twitter: @yujiyuji

上田

はい、皆さんこんにちは。
今日はソーシャルメディアのプロ、ソーシャルメディアラボとか、そういった媒体、メディアを 作ってくださってる、重枝さんに来ていただきました。
簡単に重枝さんご紹介お願いします。

重枝

よろしくお願いします。 重枝と申します。
私はガイアックスの、ソーシャルメディアマーケティング事業部の、責任者をやっておりまして、ソーシャルメディアを使って、いろんなマーケティングだったりとか、ブランディングやプロモーション、日々そういうことを どのように行うのかということを、考える部署で、仕事をしています。
ソーシャルメディアについて、いろいろ普段から考えてることがあるので、今日はそういうお話ができればと思います。

上田

ちなみにやっていらっしゃるメディアと、YouTubeのご紹介もしてもらっていいですか。

重枝

はい。ソーシャルメディアラボという、ソーシャルメディアマーケティングに関して、いろいろ情報配信をしている、メディアがありまして、 webの媒体なんですけど、月100万PVぐらいあり、おそらくその業界の中だと、最大手だと思うんですが、そちらでいろいろソーシャルメディア マーケティングにまつわる、様々な役に立つ情報を発信しております。
YouTubeはどちらかと言うと、よりマニアックな話をしていて、ソーシャルメディアにまつわる情報は いっぱいありますが、ソーシャルメディアマーケティングで、しかも企業向けですね、個人のブランディングではなく、企業向けにまつわる情報は、あまり世の中に出回ってなくて、そこで発生するいろんな問題や、課題を解決するような、ちょっとマニアックな話をしているのが、YouTube版のソーシャルメディアラボです。

上田

僕も結構拝見していますが、なかなかマニアックで、あと、ソーシャルメディアラボの方は、普通にネットで検索すると、嫌が応にもSEOで引っかかって、なかなか面白い記事だと思ったら、あぁ、ガイアックスか!というような、そういうことが多いです。
ちなみに重枝さんは今、何歳ぐらいで、インターネットが出てきたころは、何歳ぐらいだったんですか。

重枝

僕は今年38歳で、インターネットが普及し始めた頃は、中学生ぐらいから、まわりで使い始めた感じですね。
僕もだいたい中学生ぐらいから、インターネットをはじめて その時はeMacを買ったかな。
eMacでダイヤルアップ回線で最初に行ったのが、はじめですね、中学生の時。

上田

eMacって、カラーのおしゃれなやつですか。

重枝

そうです。
MacBookとか、今のMacが出る前に、教育版マッキントッシュ っていうのがあって、今からすると割と高いですけど、当時としては廉価だったんですよね。
それを買ってやっていました。
おしゃれな綺麗なMacで。

上田

最初の印象はどんな感じでしたか。

重枝

最初の印象は、当時のインターネットって、とにかく怪しい情報が いっぱいあったんです。
そのいろんな怪しい情報を集めていましたね。
例えば本屋とか図書館とか、学校とかでは手に入らない情報っていうのが、インターネット上にたくさんあったので、それで最初ははまっちゃいましたね。 面白かったですね。

上田

それは西暦何年くらいですか。

重枝

西暦1998-9年くらい。

上田

僕が就職したのが1997年で、ガイアックスを起業したのが 1999年ぐらいなんですけど、はじめちょっと分からなかったんですけど、起業準備し始めて、1998-9年ぐらいかな、多分同じぐらいだと思うんですけど、面白すぎてやばいなっていうことにやっと気づいて、超狭い家に住んでいたんですけど、家の中にあるこの小さなノートパソコンの中に、めっちゃでかい世界があるなっていうことを、すごい感じていた印象がありますね。

重枝

そうですね。
僕も同じような状況で見てましたね。
当時、ビジネスに使うとか、学生なので何も考えてなかったんですけど、世の中の広がりというものは、すごく感じましたね。

そもそも、インターネット・ウェブとは?

上田

最初に重枝さん的に、インターネットやwebは、そもそもどういうもなのかという 定義について、重枝さんなりの定義を 話してもらえますか。

重枝

はい。
我々が普段インターネットと呼んでいるものは、基本的にwebと呼ばれているもので、メディアです。
情報をやり取りするメディアで、それがインターネットという、インフラに乗っかってるっていう ものだと思うんですけど、インターネットの特徴は、元々アルパネット、アーパネット、アメリカ軍が通信回線が切れちゃった時に、いろんなネットワークでつながっていれば、切れた部分を迂回して情報が通信できると、そういうものだと思います。
それでそのまま、そのアルパネットというのが出来上がった後、研究者が使い始めて、世界中で論文を共有したりとか、情報交換したりするようになったわけですが、その時の黎明期のインターネットは、僕が使い始めるより、20年~30年以上前の話だと思いますが、その時の話で面白いなって思ったのが、当時はメールアドレスを持ってる人って、世界中に、そんなにたくさん今のように、無数にいるわけじゃなくて何千人単位だったと。
そうなってくると、各個人のメールアドレスが、電話帳みたいになっていて、それをめくれば、世界中のメールアドレスを持ってきて メールができたみたいな、そういう状況だったらしいんですよね。
その後、HTTPができて、ハイパーリンクでテキストがつながるという、ネットワークができていくという、そういう形になったわけですけど、そういうのを見ていくと、その後ブログができて、ソーシャルメディアができてくると、だんだんと、人と人とのつながりっていうのが、社会そのものですよね、リアルな社会の人の繋がりに、より実態として近づいてきているなと思うんですね。
昔は一部の限られた人たちが、テキスト情報でやり取りしていたものに、画像が入って、参加者が増えて、それでHTTPを、簡単なコードですけど、プログラミングで書かなきゃいけないですか。
そういうものじゃなくて、CMSで自動的にアップできて、今アプリでアップできて、 何なら音声入力できて、今だったらもうリアルタイムで、カメラとマイクで話して っていう風になってきてる、ことを考えると、よりリアルな社会に、インターネットそのものが、近づいてきている。
元々人間はネットワークでつながっていて、社会的動物なので、自分のコミュニケーションのネットワークを、持っていることが、イコール人間の定義 だと思うんですけど、インターネットというのは、人間の定義そのもので、webは、コミュニケーションの手段ってことですけど、技術が進化したり、民主化するたびに、人間の存在そのものと、イコールになってきている、そういうものを インターネットやwebと捉えていますね。

上田

リアルの僕らの様子と、ネット上の僕らの様子が、近づいてきてるとはいえ、どこらへんが一番違う感じですか。

重枝

実はそんなに違わないと思っていて、今の段階になると。
ただちょっと前だと 例えば、テキストがメインのやり取りで、動画とか画像とか、そういうものが伴わなかったっていうところは、人間が感じるリアリティと、コンピューター上に表現されるリアリティは、だいぶ乖離していたなと思います。
五感への入力のビビットさ、そういうものが一番違っていた、埋まりつつありますけど、そんな感じです。

上田

なるほど、インターネットとかwebの定義が、人と一緒じゃないかということなんですけど、ソーシャルメディアという単語は、どこにどう引っかかったんですか。

重枝

人は基本的に、世界をどのように捉えているかと言うと、関係性のネットワークで捉えているんですよね。
例えば僕は、どういうネットワークで構成されているかっていうと、重枝義樹という名前で、今はガイアックスにいて、ただそれだけじゃなくて、家族はこういう人間がいてとか、学校にはこういうところに通っていてみたいな、いろんな情報とのネットワーク上に、形成されているノードの一つであるというのが、僕の定義になってくると思いますが、そもそも人間は、関係性の網目の中にいて、初めて意味を持つもの、という風に捉えているんですが、インターネットというか ソーシャルメディアというのは、インターネットもそもそも、いろんな物を関係付けて結びつけるものですけど、それをより簡便にした、より人間の認知の速度と、リアルタイムに繋がるようにしていったというのが、ソーシャルメディアだと思うんですね。
前のインターネットは、メールを送ったりとか、HTTPを書いたりとかっていう、遅かったんです。 関係性を築くのが。
だけど、ソーシャルメディアだったら 1個投稿したら、それに無数のネットワークが、リアルタイムにできてくると。
リアルタイムに関係性が更新されていくじゃないですか。
フォローしたり、いいねしたりとか。
そういうことでよりインターネットが、リアルな人間に近づいてきた、リアルタイムで関係性が書き換わるのが人間ですから、というのが、ソーシャルメディアの姿で、よりインターネットが、リアルな社会やリアルな人間に近づいたもの、という感じですね。

上田

なるほどですね。
まさに僕らが使い始めた、97年、98年、99年あたりは、ソーシャルメディアという単語もなく、インターネットっていうのがあって、何でもできるって言われていて、とはいえ、カテゴリ分け 当時されていたのが、調べものとかEコマースとか、あと人と人がコミュニケーションする、まだ当時はプアでしたけど、そういうカテゴリーとか、あとは、コンテンツですよね。
小説が置いてあったり、映画らしい映画とか 動画らしい動画は、まだ回線がひどすぎて、あまりなかったですけど、その中で人と人が繋がるところが、本当にインターネットらしいところだし、インターネットより簡略化したところだっていう、そういうことになるということですね。

重枝

そうですね。 インターネットのコンテンツって、何かっていうと、コミュニケーションそのものが コンテンツであると、言えると思うんですよね。
私は大学時代にコンテンツを作りたいと思っていて、そういう勉強をしていたんですけど、途中からニコニコ動画とか YouTubeが出来てきたのですが、在学中に。
そっちの方がちゃんと作られたものよりも、面白いなと感じる瞬間があって、それで、そのままそちらのビジネスの方に、ビジネスっていうか、そっちの方に耽溺していっただけで、それでお金儲けしようとか 何も考えてなかったんですけど、そういう世界の方に、はまっていったということがありまして、これが何かって言うと、人間にとって1番面白いコンテンツは、コミュニケーションであるということだと、いう風に、その当時は結論付けてました。
卒論もそんな感じのこと書いたんですけど、例えば、高城剛さんっているじゃないですか。

上田

ハイパーメディア

重枝

そう、ハイパーメディアクリエイター、彼はすごく予言者めいたところというか、すごく本質を捉えるところがあって、もう20年ぐらい前かもしれないですが、 言っていたのは、女子高生にとってのキラーコンテンツは、どんな小説でもどんな映画でもなくて、彼氏から来る一通のメールである と言ってたんです。
その一通のメールが来ると、それが自分にとって一番意味のある、一番ビビットにいろんな感覚を刺激する、コンテンツであるということですね。
ただのテキストなんですけど、それに伴って彼氏との関係性というのは、ぐわっと、コンテンツにアンカリングされていて、想起されるわけですよ。
そうすると、どんな映画とかどんな小説よりも、彼女にはすごく楽しいコンテンツになるわけですけど、まさにそういう感じです。
コンテンツがリアルタイムに更新されていくとか、今のNetflixなんかでもそうですけど、コンテンツっていうのが、自分一人で見るものではなくて、人々とコミュニケーションしながら 解釈をしたりとか、盛り上がっていく、そういう文脈の中で 消費されていくものになってきて、昔でいうところの映画やドラマも、いかにコミュニケーションの文脈に中に 位置づけられるコンテンツかということが、コンテンツのヒットの条件になってきている という意味で、それはちょっとメタな意味かもしれないですけど、やっぱりコミュニケーションが、一番のコンテンツになっていると、人間にとって。
繋がるという欲求を そのまま満たすようなソーシャルメディア、まあそういう感じですね。
インターネットとかwebとか ソーシャルメディアというのは、人間とって一番楽しいものになるはず だと思ってます。

ソーシャルメディアはこれまで世の中をどう変えてきたのか?

上田

ソーシャルメディアというのが、これまで世の中をどのように 実際に変えてきたのか、それこそ、1997、8、9年ぐらいから考えると、約20年ぐらい経ってますが、この辺りはどう考えていますか。

重枝

まず、2つぐらいあるかな。
いろいろ変わってきましたが、二つに集約されてると思っていて、一つはコミュニケーションっていうものが、一方通行ではなく双方向のものだということに、改めて気付かせてくれたっていうのが、インターネットだったと思います。
基本的に人間は、19世紀以降は、現実を作り上げてきたのは、メディアだと思うんですよね。
それまでは、人間にとっての現実というのは、地域社会だったりとか、宗教だったりとか、そういうものだったわけですけど、それ以降は、新聞の登場以降、特にラジオ、テレビの登場以降は、メディアが基本的に、人間の現実を書き換えてきたりとか、作り上げてきたと思っています。
でも、ソーシャルメディアっていうことで、全ての人たちが再度、自ら発信者となるっていう、コミュニケーションの主権を取り戻してきた、というような過程があると思っていて、一方通行のマスコミュニケーションだった時代から、改めてコミュニケーションっていうのは、双方向なものだったと いうことに気づかせてくれた、これが一つ、社会を変えた要因のひとつですね。
あともう一つが、どう変えたかっていうと、スピードを速くしたっていうのがあると思います。
双方向であったというだけじゃなくて、物理的な制約を超えて、電気的な信号でつながっていくから、とにかく速いわけですよね。
現実の書き換えのスピードというのも ものすごい速いし、今まで繋がらなかった情報とか、ものすごい調べたりとか、ものすごい努力しなきゃ得られなかったような、知見だったりとかが 一瞬で得られるようになって、そうなってくると、自分たちの現実を書き換えていく、その速度も速くなってきている。
双方向性と速度っていうもので、世の中をガラッと、書き換えてきたというところが、インターネットが一番の力かなと。

上田

具体的な事例でいくと、この事例だとこんな感じで、実際に変わってますよねみたいな

重枝

ものすごくドラスティックに、世の中を変えたっていう事例だと、もう2011年とかの段階だと、エジプトで政権が倒れたとか、そういう風に国の体制が変わってしまう、みたいなところまで、今まではマスメディアをコントロールすれば、そう変わってきていたのが、ソーシャルメディアの力で、国の体制そのものが 現実が書き変わってしまう、そういうことが起こって、しかも、そういうことが、どんどん頻発するようになってきている っていう感じですね。
最近は、感じているのは。

上田

これまでは、実際にクチコミで、あの国王さんどうよ?みたいな、あの大統領どうよ?みたいな。
それに、大統領の息のかかったマスコミが、悪くないよとかかってきて、それで終わっていたのが、スピーディーに情報が、海外ってこうなっているらしいよとか、ちょっと俺納得いかないんだけど みんなどうよ、みたいな、俺もここ納得いかないと思ってたみたいな、うわ~っとスピードが上がって、あのような、アラブの春みたいなのが、出てきたということですね。

重枝

そういうことですね。
それまでは政府がマスメディアを、握っていれば、わりと安泰だったと。
ということだったと思うんですけど、そうじゃなくなって、しかもスピード速くっていうことですね。

上田

今の、だいぶソーシャルメディアで 双方向になり、スピードが上がってきたということなんですが、なかなか進化って、どこまでも行っちゃうので、何とも言えないと思うんですけど、進化の何合目ぐらいまで、来てる感じがしますか。

重枝

どうなんだろう。
僕はまだ、3合目とか2合目辺りかなって思ってます。
全然これからの方がまだまだある、もしかしたら1合目とかもしれないですね。

上田

これまでの常識から考えると、いかれた社会になっていくと。

重枝

そう思います。はい。

これから世の中は、ソーシャルメディアを通じてどう変わっていくのか?

上田

これをまさに、一番聞いていきたいんですが、これからの世の中は、どのように変わっていくのか、残りの9合目は、こういうトピックだよねみたいな

重枝

ソーシャルメディアっていう、言葉自体がなくなってくると思います。
社会、ソーシャルとメディアが、一体化しちゃうと。
ソーシャルメディア上で起こったものが、即現実に反映されるみたいな、時代になってくるっていう話です。
我々の現実=ソーシャルメディアに、なるといういうことで、言ってみれば 基本的に人間のリアリティが、物理空間から極力解き放たれて、サイバー空間に移っちゃうという、そんな状況です。
これが最終的なインターネットの本質だと思って、そうなってくると、もはや、会えない人とかもいないし、一瞬でどこにでも行けるし、どんなものも一瞬で作り上げられてしまう、というような、魔法の世界みたいな、そういうのが最終的に、社会の姿になってくんじゃないかなと思います。

上田

もう少し具体的にありますか。

重枝

いろんな段階があると思うんですけど、ある程度すでにそういう風に、実現している面もあります。
それこそソーシャルメディアでバズって、フォロワーを獲得したら、一夜にして有名人になってしまうようなことが、今現実に起こっていて、それで実際に儲かるし、いろんなことができちゃいます。
より技術が進展すれば、今はTwitterのアイコンと、テキストだったのが、その人のアバター有名なる みたいな話になると思いますし、ソーシャルメディア上で作る人格みたいなものも、今はTwitterだと こんな口調でツイートしようとか、こんなハッシュタグ付けようとか、こんな画像アップしようみたいなことが、アバターだとどんな顔にしようとか、どんな声色にしようとか、こういうことのチューニングで、できるようになってくるというような、そういう感じですよね。
リアリティの強度が上がっていくだけでも、すでに実際にそういうことは起きている、という感じです。

上田

それはまさに、「竜とそばかすの姫」とか、一夜にして有名人になるという、あれは、未来像として、違和感ないですか。

重枝

あれは違和感ないというか、そのものだと思います。
インターネット上とかサイバースペースに、移ったら、なりたい自分になれるとか、やりたい事が出来るっていう世界が 訪れるというのは、もうずっと昔からあるモチーフで、それをソーシャルメディアのアイディアと、結びつけたのが、細田監督だと思うんですけど、もうまさにそういう世界が、ずっと前から予測されていたっていう感じですね。

上田

自分自身の満足として、正直ソーシャルメディアの中で、幸せを入れるっては事実だと思うんですね。
それこそ、セカンドライフで、彼氏にふられて自殺されたみたいな、ニュースを見たことあるんですけど、それ自体は悲しいニュースなんですけど、それ以上に、ネット社会のそんなことで、そこまで思いつめなくても と思うんですが、人生の全てがそこにかかっていたと言われても、まあそうなのかなぁ、みたいなっていう、そういうニュアンスだと思うんですけど、それとソーシャルメディアがあることによって、リアルが実際に変わるみたいなことって、その後者の方はどうなんですかね。

重枝

人間のリアリティが先か、リアルが先かって話になるんです。
物事は解釈で変わるわけですけど、その解釈の方も、解釈する対象の物事が変われば、解釈の方も影響を受けて、お互いに認識する対象と、認識する主体というのは、相互にフィードバック関係があるわけですけど、それがどんどん一致してくるわけですよね。
つまり、今はテキストを見て、これはマクルーハンが言ってたことですけど、アメリカ国旗のイメージと、アメリカ国旗って書いてあるテキストって、意味は同じだけど違うよね と言っていて、アメリカ国旗のビジュアルの方が、より端的なんですよね。
マクルーハンの言い方を すごくパラフレーズしてしまいますが、端的度が変わるということなんです。
受け取る記号の。
文字だったら一回頭の中で変換して解釈して、イメージをまたアウトプットして っていうことですけど、五感を刺激する技術がどんどん上がってくると、解釈と、解釈をジャッジする記号ですよね、 表象的なイメージというものが、ほぼイコールになってくるわけですよ。
その差ですね。
今はその乖離がまだありますが、それがどんどん一致してくると、だから認識とリアルは一致すると、いうことですね。
心の技術ですね、自分の心をうまくコントロールできる人が、そういう世界だと強者になるし、それが不安定な人は弱者になるような、そういう世界でもあると思いますね。

ガイアックスは、今後どのようなビジネスに参入するのか?

上田

なるほどですね。
ガイアックス自体、こういったソーシャルメディアのカテゴリーに進んでいるわけですが、これからそういう風に変わっていく中で、ガイアックスの幹部人の我々二人として、今後どのようなビジネスに参入するのか、直近ではなく、大枠の話なんですけど、重枝さんはどう考えていらっしゃいますか。

重枝

一番参入したいのは、上田さんも思っていると思いますけど、新しいそういう時代の、プラットフォーマーになりたい ってことじゃないですか。
そこに参入したいなと言いつつ、その他に考えられること、そっちの方は今いろいろ話すと、敵に塩を送っちゃうかもしれないので 黙っておくとして、それ以外のことで言うと、今後、どういう世の中が訪れるかというと、プラットフォームっていうのが イコール、その人の国籍っていうような時代が来るって、思ってるんですね。
今我々は日本っていう、プラットフォームに属してるわけですけど、同時にFacebookという国籍も持ってるし、Instagramって国籍も持ってるし、YouTubeも持ってるかもしれない。
そういう風に、いろんなプラットフォームに、自分のアカウントがあって、それがイコール国籍になってくると。
それが、イコールその人の現実になってくると、例えば、ガイアックスでも、ainiのアカウントを持ってるということは、ainiに国籍を持ってるような状態ですね。
そのように、様々なプラットフォームに、人々が多重帰属すると。
日本は二重国籍認めてもないですけど、事実上いろんな国籍を持ってるのと、同じ状態になってくると思うんです。
そのようにいろんなプラットフォームを、上手に使うための支援だったりとか、これはツールかもしれないし、あるいは、マインドの問題かもしれないし、そういうようなものを支援するようなビジネス、っていうものに、僕は今、興味を持ってるところですね。
プラットフォーム、いろんな国籍を渡り歩くための、いろんな術を紹介したり、提供したりする、そういうビジネス。
その他にはプラットフォームが、各プラットフォームの中での、自由度が増してるんですよ。
それこそ、ゲームのプラットフォームというのは、そのプラットフォームの中で 好きなゲームを作ってください、みたいな、こういうプラットフォームの方が 最近流行りつつあります。
いろんなプラットフォームの中で、遊ぶためのいろんなツールだったりとか、アイディアだったりとか、アバターなのかもしれないし、ゲームの材料なのかもしれないし、あとは、家を建てるのであれば、プラットフォーム上の建築資材かもしれないけど、そういうものを提供するようなビジネスは、すぐに始められそうだなと思ってます。

上田

なるほど。
最初に重枝さんにおっしゃっていただいたとおり、プラットフォームを作りたいと 思っていないことはなくて、それはもう99年のガイアックスの創業の時は、まさに、B to Cのプラットフォームを 作って創業して、それ以降、いろいろ時代が変わる中で 常に追いつつ、追いかけたいし、追いかけようとしてるし、残念ながら全面的プラットホームじゃなくて、例えば、ainiのような、体験を通じたプラットフォームみたいなのも、当然あるとは思うんですけど、まぁそれは理想を言えば、全面的なプラットフォームやりたいなっていうのは、思いはしますね。

重枝

そこに技術で追いつくっていうのは、結構難しいとは思っています。
もうすでにFacebookがいて、Googleがいる状況で、そういうところがまだあまり手をつけていない、フロンティアって、どこらへんにあるかと言うと、プログラミングによる技術じゃなくて、人間の認知に直接働きかける技術 っていうのは、まだもうちょっと新規参入の余地があると、思っています。
例えば、今の言葉で言ったら、ウェルビーイングとかなるかもしれないですけど、そういうところで人間の世界を作る、認知する新しいリアリティを作る、そのためのプラットフォーマーになる みたいな道は、結構まだフロンティアあるな、と思っています。

上田

それは分かります。
若干これまでの社会って、物を得るとか、得たものを自慢するとかに偏っていて、幸せに直結してない感じがあるんですね。
それから、いろいろなことを経験するとか、男性的というか、理数的というか、足し算的というか、そうではなくて、ウェルビーイングでいいじゃんという、南の島の漁師さんが、日々幸せに魚を釣ってる時に、ビジネスマンがそんなことするより、もっとたくさん釣って稼いだ方がいいよみたいな、じゃあ稼いで何をするのと言ったら、 金持ちになるんだよと言って、金持ちになったらどうなるのと言ったら、日々海岸でゆっくりするんだよって、いや、それやってますという、そんな感じの、空白ゾーンがあるような気がしますね。

重枝

本当にそうですね。
今までのビジネスって、どれだけドミナンスを築けるかという、そういう競争だったと思いますが、そのための効率のいい方法って、プラットフォーマーが、都合のいい基準を作り出して、その中でランキングして、そのランキングの上位に入るように、みんな競争しようと、入ることが幸せだった、そのように洗脳するビジネスだったわけですよね。
でも、そのランキング自体、自分の中で作っていいんだよっていうのが、たぶん次なんですよね。
それを人それぞれじゃんって言い切れるかどうか

上田

実際は幹部陣二人の会話としては、市場があるかとか、競争に勝てるかとか、実際に事業計画を書けるのかみたいな、議論を日々しながら、実際はビジネスもしてますけど、でも、この先の中期的なところでいうと、そこら辺は常に今後もウォッチしながら、こういう形で切り込みめば 形になるんじゃないか、みたいなのが見えたら、差し込んできたいきたいなとは思いますね。

重枝

そうですね。

上田

では、重枝さんをお迎えして、お話を伺いしましたけど 今回ですね、より現実味がネット上は、昔テキストだったのが どんどん音声だとか、動画みたいに現実味が上がっているということで、次回、そのあたりをもう少し深堀して、お話を聞いていきたいなと思います。
本日は重枝さん、どうもありがとうございました。

重枝

ありがとうございました。
また次回、よろしくお願いします。

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