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日々加速するSNSのトレンド変化速度。ミレニアル世代以前のインターネット世代、Z世代以降のスマホ世代での大きな変化が起き、「インスタ映え」とは全く違う方向性で、自己表現をクリエイティブにできるプラットフォーム、そして自分の弱みや本性を見せられるプラットフォームが今のクールになっています。次にくるであろう参加型のDiscord、Fortnite、Minecraft、Roblox、メタバース以降の次世代SNSを日本人がビジネスにすることはできるのか?これからのSNSプラットフォームについて、SNSの専門家である重枝さんと話します。

重枝義樹

ソーシャルメディアマーケティング事業部・事業責任者
ガイアックスではSNSを中心に企業のマーケティング支援がメインの業務。公式アカウントの運用支援から、従業員のSNS活用、口コミ創出、データ分析を幅広く手掛けている。そもそも論好き。ガイアックスソーシャルメディアラボYoutube:https://www.youtube.com/channel/UCbqO0pVcIUkiAuOkYs48HHQ

公式サイト: https://gaiax-socialmedialab.jp/
Twitter: @https://twitter.com/SGDYSK

上田祐司

株式会社ガイアックス 代表執行役
ガイアックスでは、「人と人をつなげる」をミッションに、ソーシャルメディアとシェアリングエコノミー事業を展開。また起業家が集うスタートアップスタジオという側面も持ち、社会課題を解決するための事業づくりサポート、投資を行う。シェアリングエコノミー協会代表理事。

公式サイト: https://www.gaiax.co.jp/
Twitter: @yujiyuji

上田

はい、こんにちは。 ガイアックスの上田です。
今日は前回に続いて、ソーシャルメディアのプロフェッショナルである、重枝さんにお話を聞いていきたいんですが、今日はメタバースについて 話をしていきたいと思います。
重枝さんがされているメディアも含めて、簡単に自己紹介をもう一度お願いします。

重枝

はい。
株式会社ガイアックスのソーシャルメディア、マーケティング事業部の重枝と申します。
普段は企業とか、官公庁の、ソーシャルメディアマーケティングの 支援を行う部署で、働いております。 本日はよろしくお願いします。

上田

ちなみに、どういう会社さんの、どういうご相談が、一番得意技ですか?

重枝

そうですね。
ソーシャルメディアを扱った マーケティングなんですけども、得意技ということで言えば、やっぱりソーシャルメディアの特性を生かした、ソーシャルメディア上の、お客様のブランドにまつわる コミュニケーションが、自然に発生していって、何もしなくても インプレッションが上がっていくような、そういう環境を作り出していく、そういうのが得意技です。

上田

僕から見ると、重枝さんは、物事の根本というか、物事のコアな部分を見極めていくのが、得意でいらっしゃるんで、小手先のサービスより、 根本から設計されていくのが、得意だなと感じを受けています。

重枝

そうですね。
フォロワーを集める 得意な人いっぱいいるんですけど、フォロワー集まった結果、何ももの売れないじゃんっていうのが、頻発しているのがソーシャルメディア マーケティング業界でして、それよりも本当は、こうだろうっていうところを、そもそも論から考えるのが好きです。

上田

そもそも論大好き 重枝さんなんですが、今日はそんな重枝さんに

メタバースとは何か?

上田

そもそもメタバースとは 何なんだというところから、お話しを聞いていきたいと思います。
これまずは何ですか? メタバース。

重枝

メタバースは最近話題になってます。
なぜ話題になってるかというと、ザッカーバーグがメタバース企業になると、Facebook社は、と言い出して、名前もメタっていう名前に Facebookから変えたと。
それがきっかけで、かなり話題になっていますが、メタバース自体は、明確な定義が定まっている言葉ではなくて、昔、web2.0とか言ってたじゃないですか。
ああいう段階ですよね。
メタバースって、きっとこういう世界がくるに違いないけれども、まだみんなはっきりと具体的には言えない、というような段階のもので、つまり、メタバースって、メタユニバースってことで、もう1つの、より1個上の、宇宙ということですね。
そういうスペースで、今までは、ネットで画像だったりとか、テキスト記号だったりとか、せいぜい音声、動画をやり取りしていたのが、もっと人間のリアリティそのもの、臨場感をサイバー空間に移して、そっちでコミュニケーションをとるような、そういう世界がきっと来るに違いない、でもそれって具体的にどうなんだろう、というのが、色々皆さんが考えている、昔web2.0と言われてたような段階の、メタバースです。

上田

この話を分かる人は 誰もいないと思いますが、昔、富士通さんの、ニフティサーブに入っていて、その前くらいからハビタットという、ドラクエのような世界に、ポカって入って、まわりと喋って、というのが出来たときに、なんてすごい社会なんだと、 やばいのが来たぞと、思ったのが記憶にありますけど、ゲームの世界も近いといえば近いですよね。

重枝

おっしゃる通りで、ゲームから、そのムーブメントは始まってると、言っても過言じゃないですね。
それこそEpic Gamesとか、Roblox みたいなものの延長線上に、メタバースは考えられています。
一般的にわかりやすい、例えば、どうぶつの森ってメタバースです。
そんな感じです。

上田

年々、がんがん増えてきている印象ですか。

重枝

がんがん増えてきてる 印象を持っているか。
そうですね。がんがん増えてきてるし、メタバース上でコミュニケーションをとる、ネイティブの世代も出てきていると、それこそ、うちの子供なんか、どうぶつの森で集まって、お互いにコミュニケーションをとると、それを放課後に集まるのと、同じような感覚でやってるわけです。
それって、メタバースじゃないかと。
フォートナイトもコンサート開いて、1200万人集まったんでしたっけ?
それは、もはやゲームじゃないですよね。
そういうのをゲーム会社も意識していて、ゲームを一緒にプレイすることで、最初はチャットや音声のやりとりをして、コミュニケーションをとることから、単に集まるだけが目的の空間を作って、そこでアバター同士でくっちゃべってという、そういう使われ方もどんどん意識してきてます。

どういう未来があるのか?

上田

このメタバース、これから、どういう未来があると考えてますか。
ますます普及していくと思いますが。

重枝

これはもう、 普及していくのは当然の話で、やっぱりコロナで、未来が見えたなって思うんですよ。
物理的に離れているから サイバー空間を通じて、お互いにコミュニケーションすることで、その時にみんな いろいろ工夫したんですよね。
例えば、今まで単純に、Zoomでのオンラインミーティングって、お互いに顔を見ながら話し合う みたいな感じだったんですけど、オンライン飲み会をZoomでやりましょう というときに、オンライン飲み会で集まる人たちが、同時に、同じものが食べれて、同じものが飲めるような、メニューを開発してるような、オンライン飲み会のケータリング会社って、出来てるじゃないか。
そういう感じで、体験を共有し合う工夫というのを、すごいやっていて、今まで物理空間で味わっていた価値を、オンライン空間に置き換えたら どういう風になるのか、ということが散々実験された、僕も北海道の動物園の、クラウドファンディングで、ノベルティもらうために寄付したんですけど、そのノベルティがですね、何だったかっていうと、ライオンが引っ掻いた傷でできた ダメージジーンズ、というノベルティがあって、ライオンがひっかいてる写真を 撮ってるんですけど、もらったんです。 そのノベルティで。
実際に見てみたら、ライオンにひっかかれた、ざっくりしたダメージがあって、それを見ると、普段動物園に行くよりも、身近にライオンを感じるみたいな。
このように、人間の感じている体感みたいなものって、工夫すれば、どんどん置き換えていける、今感じてるようなリアリティが、例えば、匂いを感じられないからとか、触覚がないからだめだよね っていうんじゃなくて、そうじゃなくて、オンライン上で実現できる、何か別のものに どんどん置き換えられていく、そういうふうに今なってきてると。
それこそオンライン上だけで感じるような、リアリティみたいなものが、どんどん実現していくという状態に、近未来はなっていくと思いますね。

上田

このメタバース、色んな定義や範疇があるんでしょうが、わかりやすく言えば、仮想空間的なものを指していると思うんですけれども、インスタや、TikTokの世界とは別ですよね。

重枝

そうですね。インスタとか TikTokというのは、あくまでリアルがあって、勝間和代風に言えば写像だったわけですよ。
リアルの。
メタバースの方は、むしろメタバースの方がメインだ、という風にも言えるんですね。
向こうの方が中心になると。

上田

今後、インスタとか、TikTokとか、その次のサービスとか どんどん出てくるし、どんどん普及してくると思うんですよ。
メタバースの世界ももっと、増えていくと思うんですけど、どんな感じになるんですか。

重枝

日本人が初めて経験すること なのかもしれないですけど、いくつも国籍を持つみたいな状態ですよね、言ってみれば。
メタバース上に、アイデンティティを作り上げて、それを複数持つようになるわけですけど、例えば、メタバースAから メタバースBに移ったら、全然違う人格とか違う権利とか、違う体験が得られる、今日はAで暮らそう、明日はBで暮らそうみたいな、そんな感じになっていく。
例えば、EUって、管さん(ガイアックス本部長)とか 暮らしてますけど、ちょっとオランダから、隣のドイツに行こうか、フランスに行こうかみたいな、そういうのってあったりしますし、例えば、このコロナの中でも、例えば、スウェーデンは ロックダウンしてなかったから、ロックダウンしている国から、スウェーデンにみんな逃げたみたいな 話がありますが、そんな感じで、気軽に移動して、全く違うルールとか、得られる楽しさを、どんどん着せ替えてくような、そういうことが当たり前に 行われていますが、メタバース上でも そんな感じになっていくという、そういうことですね。

上田

インスタやTwitterとかで、自分の第二の人格、 裏アカウント作ったりとか、それらも含めて、リアル立脚型だったのが、メタバースになるともう一回り、別人格を一から作り上げれるみたいな、そんな感じですか。

重枝

そこなんでよね。 そこが面白いところで、まさにビジネスチャンスでもあるんですけど

メタバースにおけるビジネスチャンス

重枝

例えばメタバースABCと あるとするじゃないですか。
Aから移ったら Bっていうのは全く違う人格で、Aのものは何も引き継がれないのかと、BからCに移ったら Cには何も引き継がれないのかと、これってリアルとは違うというか、これだと完全に 主軸をメタバースに移すって、考えにくいんですよ。
というのも、リアルの世界で、我々は例えばオランダからドイツに行ったとか、ドイツからフランスに行ったというように 生きてるけれども、名前とか、この体とか、お金とか、引き継いで移動してるじゃないですか。
そのようにメタバース上を移動する時にも、財産とか一定のアイデンティティとか、引き継いで渡れるような、マルチバースと言われる考え方ですけど、そういうようなことがちゃんと実現して、初めてみんなそっちに主軸を移すように なってくるんだと思います。
それぞれのメタバースABCの、それぞれの人格を統合するような、もしかしてNFTかもしれないし、アイデンティティを保証するような トークンかもしれないですけど、そういうようなものがまずは必要ですね。

上田

でも、あまりにも全部引き継ぎすぎると、メタバースでなくて、リアル社会と同一人格になってしまいますよね。

重枝

そうです。だから適度な匿名性を保ちつつ、人格の切り替えを楽しみつつ、でも引き継いだ方がいいものだけ 引き継げるという、こういう状態が必要になると。
まだここは、ちゃんと実現してないので、もうすごいビジネスチャンスだと思います。

上田

自分自身の感じる感情としても、ある程度引き継いだ方が、自分自身を感じれるのかもしれないですね。
完全別人格でやりまくってもいいけど、あくまでもゲームの中感すぎて、自分への心の響き方が、50%程度になってしまうと 楽しくないですもんね。

重枝

楽しくないですね。
ここら辺、AbemaTVか何かで、メタバースってなに? メタバース流行んないよっていう、論者の人が言ってたのが、結局メタバースって、それぞれの世界観に シンクロしなきゃいけないと。
それが気に入らなくなったらダメでしょと。
飽きちゃったらダメでしょって 言ってたんですけど、たぶん、そうじゃないですよね。
引き継ぎながら、 ちょっとずつアップデートしていく、自分の本体みたいな人格も。
それで、いろんなメタバースを 渡り歩いたりとか、新しいメタバースを 自分で構築したりもするんでしょうけど、そういうようなアバターを操るアバターみたいな、こういうものが多分できてくると思います。

上田

ちなみに重枝さんは、メタバースにおける、幸せっていうのを、過去の人生で、感じられたことってありますか。

重枝

メタバースというか

上田

僕も知らないですけど、重枝さんが内緒にしている人格のことだから、ここでは喋れませんみたいな、そういう匿名性の保たれたアカウントで、色々ヤンチャやってますみたいな そういう話だったらいいんですけど。

重枝

そうですね。ヤンチャやってるかどうかは 言えないですけど、実際に僕は、会社の皆さんにお知らせしていない、人格のアカウントはあります。
ここら辺からもわりと分かるんですけど、SNS上の人格って複数あるんですよ。 僕も、まず、個人というのは、インディビジュアルだから、ディバイトできないもの 分割できないものと、捉えられているんですけど、そうじゃなくてディビジュアルだっていう風に、誰かが言い出したんですよね。
日本だと平野啓一郎さんが それをよく言ってるんですけど、要するに、人間は関係性によって、人格って書き変わるよねって話です。
だから上田さんと話している僕の人格と、家族といる時の僕と、友達いる時の僕は 人格が違うわけですけど、それは人間関係が書き換わったから 違うわけです。
という風に言いますけど、でも、それぞれの人格を知っている、統合された人格としての僕がいて、本当に深い付き合いをする人というのは そっちも知っている、だから表アカウントも知ってるし、裏アカウントも知ってるみたいな、そっちと付き合ってる人は、本当の僕を知ってるよねみたいな、そういうような、人格も分人で分かれていて、さらに階層的になっているわけです。
ツリー構造になってるんですね。
だから、人格Aを操る人格Bがいて、人格Bは人格Cがいてというように、どんどん深くなっていっていると、そういうことがあります。
僕はそのうちの一つの人格で、SNSを使ったりとか、昔あった、ニコ動やったり2チャンやったりして、すごい楽しかったという経験がありますね。
学校で話しが合うやつなんか いなかったんだけど、ネットの世界をつないだら いっぱいいるじゃんと、自分の言ったことが こんなに通じる世界があるのか、こんなにちゃんと返ってくるのかみたいな、だから、自分の考えていることとか 言っていることは、ちゃんと影響力を持ってくれる世界を 感じたっていうのが、それに対する幸せを感じた経験で、メタバースじゃないかもしれないですけど、ネットでそのような経験をした、という体験はあります。

上田

僕個人としても、そういう感じで、ソーシャルメディア上の人格で、幸せを感じた気持ちは 何度かありますし、何よりガイアックスを創業した、原体験もまさにそうなんですが。
まずは仮想空間にどっぷりはまって、仮想空間上での、幸せを日々感じている時間を、1時間とってますみたいな人間にはなってなくて。
テクノロジーが進化して、手軽にやるようになってくると、その人口はまだ増えていくのかなって いう感じですかね。

重枝

まず増えていくと思います。
リアルの人格っていうのが、むしろメタバースの人格と同じように、どっちを楽しむかという時の 選択肢の一つになってくると、そういう状況になってくる、これは必然的なんです。
なんでかっていうと、地球人口が増えすぎて 資源が足りないからですね。
メタバース上なら みんな自己実現できるけど、物理的な空間で 自己実現してもらうためには、地球環境が持たないというのが、これからで、むしろ、リアルの人格で どっぷり楽しむってことは、贅沢品になってくる。
だから、金持ちの プレミアムな楽しみ方になってくると思います。
今のうちにいっぱい楽しんでおいた方が いいと思います。
将来、高くて楽しめなくなると思います。

上田

Facebookとかが、Oculusを先頭に、普及させようとしてるのかなぁと 思うんですけれども、Oculusも使ってみると、個人的にまだ疲れちゃって、30分が限界かなみたいな感じですが。

重枝

これがOculusの楽しみ方で、とある映像コンテンツの、大手の会社の人と、友達なので話してたんですけど、結局、3Dの楽しみ方 Oculusとか、そういうヘッドセットつけるものの 楽しみ方で、なんだかんだで一番楽しかったのは、あれをつけながらNetflixを見ることだ という話になったんです。
あそこに没入して、バーチャルな部屋、Netflix見ました?Oculusで。

上田

見ました。

重枝

バーチャルな部屋があるじゃないですか。
あの中でくつろぎながら Netflixやってると、気分転換としてすごい良いし、ずっと見ちゃうみたいな。
物理的な入力も極端に抑えられますし、映像に集中できるみたいな。
意外とこんなことなのかもな っていう風に思うんです。
あと、Oculusが疲れてしまうのは、当たり前の話で、自分の体のリアリティを、あまり下げられてないんですよ。
だから、物理的な入力っていうものと、Oculusの中の世界というのが、あまりフィードバック関係がないんです。
だから、いわゆるVRシックネスと 言われるような、VR酔いって言われるような、状態になっちゃうんです。
だから、疲れて、だから、極端に、自分の身体のリアリティを下げて、Oculus上にリアリティを移していけば、結構長く楽しめるはずです。
しかし、それができないのは、移動っていう体験が、まだあまり実装されてないからです。
物理的には歩けるけど、Oculusって一番最初にエリアを設定する みたいなのがあるじゃないですか。
そこを出ちゃいけないじゃないですか。 Oculusって。
それがある限りは、まだあまり没入できないと思います。

上田

なるほど。
個人的にはまだ実感までは 行ってないんですが、徐々にこういったマーケットが、使い勝手や酔いやすさが、改善されればされるほど、出てくるのは間違いないとは思っているので、我々もそのあたりに向けて、ビジネスの、布石を打っていきたいと思います。

重枝

思いますね。 それこそ今、ライブ配信事業部とかありますけど、VR上のライブ配信の事業部とか、そういうのもやるべきでしょうし、アバターをシンプルにつけるとか、3D空間を設計するデザイナーを、抱えるとかでもいいですけど、そういう形で、人と人を繋げる、最初からプラットフォームを作りに行くと、コストがかかりすぎるので、そんな感じから始めてもいいかもしれない。

上田

そうですね。
今日時点でガイアックスでは、動画化することは当たり前ですけど、まだ仮想空間化するまでは 当たり前になっていないので、またその時は準備をしていきたいなと、話していて感じました。

重枝

はい。

上田

では、今日は以上で終わりたいと思います。 重枝さん、ありがとうございました。

重枝

ありがとうございました。

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