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姉ノアちゃん7歳と、弟リョウくん5歳。子どもたち2人と、ママと僕。つい先日、8月に、僕は夏休みを取って、4人でマレーシアのクアラルンプールに1週間行ってきた。
前々から、子どもたちの英語力向上のためにも、親子留学、子どもたちとママの3人で、が、いいのでは、って話をしていて、一時その話しも中断していたけれど、改めて検討しはじめた。
やっぱり、いろいろ子どもたちの将来のこととか話していると、英語力も大切だけどそれに加えて、多種多様な文化に小さいうちから触れておくってことが大切じゃないかっていうことになり。まずはとりあえず、現地の学校や環境を下見に行こうという話になって、今回旅行に行ってきた次第だ。

 

●マレーシアのリゾート、ペナン島で出会った家族

マレーシアに行くにあたって、せっかくなのでリゾートにも少し立ち寄ることにした。で、ペナン島。ランカウイ島と並ぶ、有名マリンリゾート地だ。ダイビングの免許も持っているしサーフィンもやり始めている僕からすると、憧れの地でもある。

が、しかし、子どもたちは、残念ながらプールが一番好きであった。
ペナン島まで来たにも関わらず、ずっとホテルのプールに行きたがる。
到着2日目、3日目になっても、朝から「早くプールに行きたい!早くプールに行きたい!」と連呼してくる。
海にも全然行かないし、魚も見に行かないし。夕方になってプールから出てくると、外にお出かけに行くのではなく、ホテル併設の子ども向けのプレイランドで遊び始める。カラフルなプラスチックでできた、ボールプールや滑り台がある奴だ。
これって、日本中のそこらに乱立するボーネルンドのキドキドでよくね?っていうか、キドキドの方がクオリティ高くね?
わざわざ、エア(といっても、AirAsiaの格安便なのだが)を乗り継いで、ペナン島まで来たのに。この子どもたちは!

プールで、ちょうど子どもたちと近い年齢の女の子が居た。お互い、同じぐらいの年齢の日本人の子が居たものだから、見つけた瞬間嬉しがって、一瞬で仲良しになる。子どもたちが一緒になって遊んでいるから、親同士も自然と会話をするようになる。いわば、公園のママ友みたいな感じだ。

その女の子の家族は、すごく良さげな雰囲気の家族。優しそうなパパさんとママさん。きっとしっかりとしたお仕事をされているんだろう。ご家族3人ともすごく仲良しで、そして、夏休みに幼稚園児のその女の子を連れて、ペナン島まで来ているなんて。話を聞くと、毎年、いろいろなところに行っているみたい。
なんと偶然、パパさんも僕と同じ大阪茨木市出身。奇しくも隣の小学校だった。
今はどちらにお住まいなんですか?なんて聞かれて、「僕は東京、ママと子どもたちは、福岡です。」って答えると、向こうにもこちらが良さげな家族のように見えるのか、「単身赴任なんですね!大変ですね!今日は、家族一緒でいいですね!」って。説明がややこしいから、そのまま、単身赴任。
深入りされても回答に窮するので、極力その話題を避け、近隣のレストランやホテルの事情、パラセーリングなどのアクティビティの価格事情(交渉次第で値段があってないようなものだから)などの情報交換の話をした。

子どもたちは、その女の子とプールではしゃぎまくっている。
そのうち、中東系な感じの同じ年齢ぐらいの子どもも輪に入ってきて、みんなで潜ったりジャンプしたり、潜ったりジャンプしたり。エンドレスにまるで機械のように繰り返している。
中東系の子とは、会話が通じないんだけど、全く問題ないみたい。通じてないのに関わらず、お互いの言葉で話している。

こっちは大人だから、もういい加減、寒いんだけど。飽きない子どもたちだ。

 

●クアラルンプールでの学校の視察

4日目に、クアラルンプールに戻って今回の旅のメイン、学校の視察に行った。あと実際の生活環境ってどういう感じかなって、いろいろウロチョロもした。

イオンがかなり普及していた。いわゆるショッピングセンターのサイズのイオンだ。
これなら、生活ができる。ほとんど日本と同じ。日本の調味料とかも倍ぐらいの価格はするが、一通り百貨店などで揃っている。
もはや、マレーシア、現地の購買力が高すぎ。あまり日本に比べて安いという感じはしなかった。特に福岡と比べると、下手すると福岡の方が安いのではないか。配車アプリのGrabがインドネシアマーケットに2000億円の投資をする、とかってニュース流れてたけど、この国力なら納得できる。やっぱり人口も多いし。
せっかくなので、Airbnbで現地のマンションに泊まることにした。現地のマンションって言っても高級な部類だとは思うが、もはや中に入ると日本のマンションと何ら変わらない。

一方で道を歩くと、中東な雰囲気の人も多いし、中国な感じの人も多い。宗教もいろいろありそうである。
見学しにいった学校では、欧米系の方も多いし、アフリカ系な感じの方も多かった。これならたしかに、グローバルな交流はできるのだろう。なかなか満足できる環境ではある。

ただ、4人で街中を歩いていると、リョウくんは、目を離すとすぐにどこかに走り去る。全く言うことを聞かない。元気な5歳の男の子なので、もはやしょうがない。がしかし、異国、しかもマレーシア。人がゴタゴタしていて、この環境下で実際親子留学をするとなると、僕も時々、こちらに来ては2週間ぐらいとか滞在するつもりではあったが、それ以外の期間、ママ1人で2人の子どもたちの面倒を見るのは大変だと思う。結果、二人での会話としては、やっぱりリョウくんが小学校2年生ぐらいになるまでは、ちょっと難しいかな、っていう感じだった。
ただ、まぁマレーシアという国の雰囲気とか、日頃の生活イメージや学校がどんな感じなのかってことをだいたい掴めたのは良かったと思う。

 

●クアラルンプールの雑踏の屋台での物売り

夜には、せっかくなので、クアラルンプールの名物の屋台の並ぶストリートに行った。500mぐらいの長い距離に渡って、しかも横幅が広い通りに、所狭しと食べ物やフルーツやお土産物の屋台がならんで、人がゴタゴタ殺到している。かなりたくさんの人。そこら中から漂うドリアンの匂い。ノアちゃんは、ずっと鼻をつまんでいる。臭いんだろうな。1時間経ってもずっと鼻をつまんでいた。

旅行雑誌などで取り上げられている、偽ミッキーマウスのロゴがトレードマークの屋台に入って、手羽先や串焼きなどを頼むことにした。
いろいろ怖いから、ペットボトルのジュースを頼んだつもりなのだが、残念ながらコップに入った状態で出てくる。しかも、氷の入った状態で。怖がりの僕は、食べ物もちょっとびっくりおっかな。
そんな状態なのに、周りはずっと人にあふれて、ゴタゴタしっぱなし。かばんとかもスられやしないかと気になるし、食べてる最中にも、ピカピカ光るおもちゃを両手に持った物売りとかもやってきて、話しているのに割り込んでこちらに売りつけようとする。普通に屋台なお店で座って食べてるのに、売り込んでくるなんて、なんて根性なんだ。綺麗な店に並んでいるモノですら、信頼できないのに、売り子が売り歩いているものなんて、絶対信用できない。すぐに追い払うものの、そういういろいろがあって、食べるのにも集中できない。

 

僕は、10年前に結婚して、そして2年前に別居になって、それから約2年が経つが、この6月末に離婚の手続きが完了した。
プライベートなことなので、皆さんには、特に報告していないのだが、このブログにて、報告をすることとする。

巡りに巡って、結局、子どもたちの親権者は、ノアちゃんもリョウくんも僕になり、また、彼女曰くお金も特に要らないし、お金の合意も要らないとのこと。普通に僕が子どもたちに必要なお金の負担を、普通にしていってね、というだけで。
子どもたちは、まだ小さいので、引き続き彼女の元で育ててもらうが、好きな時に好きなだけ会えるし、子どもたちが自分でいろいろ判断できるようになったり、自分で飛行機とか乗れるようになったら、子どもたちが好きなように適当にどちらかの家に行く感じになる。
この2年間、二人の間に向こうの弁護士が入っていたタイミングの話しと全く違って、この6月になって、急にこんなすごく優しい決断をしてくれた。2年間、すごくしんどかった毎日が嘘のよう。あまりに嬉しすぎて初めは信じられなかった。でも、実際そうなって、本当に幸せ。彼女の今回のこの決断には、すごく感謝している。
彼女は僕が子どもと会うときには、長崎のアイランドルミナとかの面白そうな場所へ行く時とか、その他気が向いた時とかは一緒に来るし、仕事とか何かプライベートの予定とかがあると、最後の日の夕食ぐらいを一緒に食べる感じ。

彼女は、学生時代、カンボジアのNGOで1年間働いてただけあって、クアラルンプールの雑踏の中でも、別に普通な感じで、屋台の串焼きや飲み物を臆せず平気で、ニコニコ笑いながら食べてて、すごく素敵な感じ。

 

食べ終わって、落ち着くと、ノアちゃんが、わがままを言い始める。「あのさっきのピカピカ光るおもちゃが欲しい。」
マジカ。誓って、絶対にまがい物だぞ。

そう思いつつも、結局、4人で、あの売り子を探すことに。

なぜ、クアラルンプールの雑踏で、まがい物を売っているいかがわしい売り子を4人がかりで血眼になって探しているのだろう。騙してくるだろうな、な、怪しい売り子を自ら探すという、はじめての経験をする。おそらく、この屋台ストリート広しと言えども、そんな人はいないだろう。負けた感でいっぱいである。

 

●道の真ん中でカラオケを歌っている人

屋台の通りの雑踏の中、体にハンディキャップのある人が、大音量でカラオケを歌っている。足元には、お金を入れる用の皿が置いている。
なんとも言えない。

両腕が、事故かな、病気かな、肩のすぐ下からすごく細くなって、10cmぐらいの長さしかない。
リョウくんが、彼のことを指差して、腕が変だよって言ってて、ノアちゃんが、リョウくん、指差したらだめ!失礼でしょ!と言いつつ、ギョロギョロずっと見ているお前も失礼だろうと思いつつ、往来のど真ん中で大音量でカラオケを歌っている人に注目をすることが、そもそも失礼なのかと思いつつ、パパ、あの人どうしたの?何してるの?って聞かれて、どう答えたらいいか、悩んでしまう。

いろいろ苦労されているんだろうな。苦労されていることを目立つ形にすることで、お金をもらえて生活ができているんだろうな。いやいや、彼がこんなことをしなくても、もっと自然に脳と脳がつながる感じになって、自然に助け合えるような社会になればいいなと思うんだけど。目の当たりにしたくないことを目のあたりにすることで、いろいろと考えさせられてしまう。
でも、このシチュエーションについて、彼が一体なんなのか、子どもたちになんて説明をしたらいいのか、本当に難しい。

 

そういえば、離婚の手続きが完了したときに、最初に思ったことは、子どもたちに離婚の説明をどういう形でしたらいいのか、だった。すごく悩んだ。
彼女と事前に打合せをしたほうがいいのかな。子どもたちにはある年齢になるまで伏せてたほうがいいのかな。ノアちゃんのこともリョウくんのことも大好きだよって伝えなきゃ。どうしようどうしよう、と思いつつ、僕の中で結論が出ないまま、子どもたちと遊ぶ日を迎えてしまった。

子どもたちと会って、車でお出かけ。助手席に彼女が座って、後部座席に、ノアちゃんとリョウくん。
子どもたちに会うときは、最初に、学校の様子を聞くことにしている。
「ノアちゃん、あの仲良しの1つ年上の男の子とは、最近どうなの?いつも、お昼休みに中庭でデートしてるの?」
「ううん。最近はしてない。もうあの子とは離婚したんだ。」

えっ。離婚?子どもが離婚って言ってる?
さっき、ノアちゃんが間違いなく「離婚をしたんだ」って言ったよな。

「離婚?なにそれ?絶交のこと?絶交でしょ?」
「絶交じゃないよ。絶交は、もう二度と話をしないってことでしょ?絶交はしてないよ。離婚だよ。これからも別に話しをしないわけじゃないし。」
「なるほど・・・。」

離婚って子どもたちの中でどんな定義なんだ?って思いつつ、隣の彼女を見ると、どうやら、離婚のことはもう話したみたい。まぁ彼女は、毎日一緒に暮らしているしね。彼女は子どもたちになんて説明したんだろう、と思いつつ、そのことよりともかく、正直言って、子どもたちにどう説明するべきなんだろうって、ずっと悩んでいたのが、その問題自体がすでに終わってしまっていることを理解し、肩の荷が降りてホッとした。

 

●Doraの実写版の映画

クアラルンプールでは、Doraの実写版の映画が上映されていた。道端のDoraの看板を見て、子どもたちが見たい!とのこと。
Doraというのは、南米のスペイン語圏向けの英語学習とかにも使われるようなマンガ作品だ。日本では全く知名度がないが、位置づけ的にはセサミ・ストリートみたいな感じと思ってもらったら良いかなと。主人公は、Doraという7歳の女の子。スペイン語圏向けなので、挨拶は、オラ!
ノアちゃんには、小さい頃から英語の勉強用にDoraのマンガとかを渡してたらから、Doraが大好き。わざわざ旅行中に映画を見に行く必要も無いのだが、Doraの実写版、きっと日本では永久に上映されないだろうなので、せっかくなので見に行った。イオンの中のシネマコンプレックス。システムとか日本と一緒。で、このDoraの映画は、音声が英語、字幕が中国語とマレー語。

子どもたちには、日本でもいつもアニメを見るときは、日本語ではなく英語音声だけにしているから、基本的には特に抵抗感も無いのだろう。だからこその、次のステップの親子留学なのだ。実際、ノアちゃんは上映中食い入るように見ていて、でもリョウくんはちょっと難しいのか、ママに甘えっぱなし。ママ、、彼女は、楽勝そうだが、彼女と違って、僕は、残念ながら、なんちゃってのTOEIC800点台なので、子ども向け映画とはいえなかなか中身を理解するのが難しい。精神を集中してストーリーに食らいついていく。

最後の場面、映画のクライマックスの後のところのシーン、日本人は誰もこの映画見ないだろうから、ネタバレでちょっと紹介すると、

——
映画の最初、17歳になったDoraが冒険家の親と一緒に冒険に行きたがっていたのだが、親は危険だからって許さない。親が冒険に行く間、Doraはアメリカの学校に留学することとなる。
で、最後のシーンでは、探検に巻き込まれたDoraの活躍にびっくりし、そして安心した両親が、これからは家族で一緒に冒険に行こう、って話すのだが、Doraは探検で絆が深まった友達たちのいるアメリカの学校に戻るという。両親はそれを聞いて、「それはいい!がんばって勉強しておいで!」って笑顔で送り出すのだが、Doraが席を立って見えなくなった瞬間に二人して、Doraが親離れしちゃったものだから、悲しくて悲しくて号位しちゃう。それでエンドロール。
——

分かるー。
まだ親離れするような年齢じゃないから、厳密には、分からないけどー。

このシーン、シチュエーションは違うものの、この2年間、全然子どもたちに会うことができなくて、すごく悲しかったことを思い出して、でも、時々子どもたちに会えた時は、子どもたちの前では、笑顔でいてて。
つい、もらい泣きしてしまった。

彼女も子どもたちのことが大好きだけど、僕も子どもたちのことが大好きだ。僕の人生で、やっぱり子どもたちが一番大切だ。
本当に子どもたちのことが好きだ。旅行中も、寝ている顔ですら、ずっと見ていて幸せしか感じない。
ノアちゃんは、本当に優しい子で、いつでも周りの人の気遣いをする。そんなに気遣いしちゃうとノアちゃん自身が大変だよって心配になるぐらい。すごく優しい子。何回も僕に手紙をくれる。宿題とか英語の勉強も決めたことをちゃんと真面目にやれる子。大好き。
リョウくんは、僕にそっくりで理数系男子。算数が大好き。暇なときに算数をする?って誘うと、目をキラキラさせて、僕と二人で一緒になって、足し算とか引き算をする。すでに年中さんにして、小2のノアちゃんの宿題とかを代わりに解けちゃうぐらい。集中力の高さといい、すごく才能を感じる。大好き。

6月以降は、自由に会えるようになって、何度も会うようにしているが、子どもたちと一緒に過ごせる時間が幸せすぎる。
2年前以前の、家族がみんな一緒に生活していたころ、子どもたちがいる時間、一瞬一瞬が、こんなに大切な時間だなんて、当時は全くわからなかった。会えなかった期間を経て、今は一瞬一瞬にすごく感謝するようになった。ノアちゃん、リョウくん、ありがとうって本当に思う。生きているという実感を感じさせてくれる。

 

でも、だからこそ、仕事も大切なのだと感じる。
グループの代表として、家族のために働きに来てくださってる多くの社員の皆さんに、しっかりと生きがいと共に、ちゃんと安心して生活ができるようにしていかないと。ともかく、会社をしっかりとしないと。
昔、ノアちゃんが産まれた時に、彼女とは話しをしたんだけど、大災害とか大地震とか、何かあった時には、だからこそ子どもたちのことは彼女に任せて、僕は会社に行くねって伝えた。改めて、個人として、子どもたちとの時間の大切さを感じるからこそ、会社やお仕事が真剣に大切に思える。

ノアちゃん、リョウくん、大好きだよ。
映画が終わってから、ノアちゃんに、英語、ちゃんと理解できた?どのぐらい理解できた?って聞いたら、「ほとんど全く理解できなかった」って。あれ?あれれ??

 

●行かないって言ってるのに、ずっとプールに行きたがる子どもたちに腹が立つ

子どもたち2人は、クアラルンプールに来てから、せっかくのマレーシアの観光地に行くのではなく、早くプールに行きたい!早くプールに行きたい!って2人してずっと連呼している。

そもそもペナン島はさておき、プールに行くつもりはない。今回は、学校や生活環境の下見がメインなのだ。映画には行ったけど。
プールには行かないよって、ちゃんと言ってるのに、この2人は何をそんなに言ってるのだ。あまりにも言ってくるので、ちょっとこっちも腹が立ってくる。

本当にノアちゃんもリョウくんも全然話が通じねーな、と思いながら、よくよく二人の話を聞くと、この二人、二人してクアラルンプールのこと、「プール」だと思っていた。

それは、話が噛み合わないや。

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