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最近、大学生の就活面談など、対面じゃなくて、ビデオ会議ツールを使ってオンラインで行ったりすることが増えてきている。

コロナ!
まぁ、ガイアックスはもともとその文化なのだが。そして、そういうサービスも始めているのであるが。

採用をする会社側からは、「オンライン就活面談だと、いまいち、学生さんのことを把握しきれない。」「しっかり人間関係を作れないし、会社の魅力を感じてもらいにくい。」などの声も聞く。学生さん側も慣れないビデオ会議で、手間取ったり、短い時間に自分を出しきれなかったりすることもあるという。

「オンラインでの就活面談は、対面・リアルでの就活面談より手軽だけど、やっぱり対面・リアルのほうがいいよね。」

こういう声を聞くと、インターネット教に入信して20年の僕は、つい反論したくなる。

これまで、
「ソーシャルメディア上でのコミュニケーションって結局、対面コミュニケーションには敵わないよね。」
「シェアリングエコノミーでネット上でマッチングされた赤の他人の方のサービスより、知り合いのほうがやっぱりいいよね。」

振り返ると、何度、こういう意見に反論してきたか。

 

そもそも、オンライン就活面談がダメだって言ってる人間は、ビデオ会議がなんたるかをわかっていない。いや、インターネットというものをわかっていない。もっと言えば、テクノロジー全般をわかっていない。いや、、それは言い過ぎか。

10年前、多くの人が、パソコンで仕事できるけど、スマホでは仕事できないよーって言ってたと思う。
これは真実なのか?
今の社会を見てみると、このパソコンの方が仕事がしやすい、という感覚は、まったく間違っていることを理解できると思う。このご時世、もはや、スマホの方が仕事しやすいことが本当に多い。
オフィスのデスクに座って、デュアルディスプレイにして、パソコン開けているのに、なぜ、僕はスマホで仕事をしているのだろうか、と思う時がある。
それぐらいスマホで仕事ができちゃうのだ。

だいたいパソコンと呼ばれるものは、まじで謎なことに、電子機器のフリをしているくせに、実は、SIMが内蔵されてない、という。
えっ!電子機器って言ってるのに、SIMがないの!?うっそー!って感じだよね。デフォは、オンラインじゃないって。そんなもので仕事できるわけないじゃん。パソコンっていうものは、本当に電子機器なの?状態である。僕は大人だから、パソコンが電子機器なのだってことぐらい分かるけど、きっと小3のノアちゃんだと分からないと思う。デフォの状態だと、普通に彼女の大好きなネットフリックスとかYouTube見れないし。彼女からしたら、電卓とかソロバンと同じグループに入るんじゃないかな。

なぜスマホで仕事ができるのか。

1つは、今と10年前では、同じスマホでも、アプリケーションが違う。スマホナイズされた使い勝手の良い、たとえば、キーボードではなく、タッチUIに最適化されたアプリケーションが数多く取り揃えられているのだ。もはや開発会社もPC向けのUIより、スマホ向けのUIの方に力を入れている。
そして、外部ネットワーク性が違う。スマホ上で繰り広げられているエコシステム、LINEだったり、スマホのGPSに紐づいたUber Eatsだったり(ビジネス街のランチ宅配に特化した新興企業のエニキャリってサービスもあるよ!)、顔認証システムと紐づいてログインできたり。
そして、何より文化が違う。「大変、お世話になります。株式会社ガイアックスの上田でございます。」から、「絵文字」や、「ちょっと動画で話せる?」に変わっているのだ。

同じスマホというものでも、こういったハード以上に重要な事柄が生まれ変わっているから、スマホで仕事がしやすくなっているのだ。
逆に言うと、パソコンの流儀のままだったとしたら、スマホで仕事ができるわけがない。
どこの誰が、スマホの画面でエクセルをいじるというのだろうか。その事実を持って、スマホでは仕事ができないよっていうのは、ここ10年以上、エクセルというアプリケーションをインストールしていない僕からすると、コイツバカか、を通り越して、「面白いもの見ちゃった」感である。

 

オンライン会議は、非常に生産性が高い。

ガイアックスでも、続々と対面でのリアル会議がオンライン会議化してきている。
最初は、参加者の1人がリモートワークとかの理由で1人だけオンラインで繋ぎます、みたいな感じだった。
が、そのうち、そのオンラインで繋いでいるメンバーが、「会議室に集まっている人たち同士の話す声ってこっちには聞こえづらいよ。お前ら、会議室に集まってくるなよ。オンラインで繋げよ。」っていう貴重なご意見を下さり、結果、全員オンラインにさせられるという。参加者の2人が、仮にNagatacho GRiDのオフィスに居たとしても、バラバラにオンラインで会議に参加させられるという。

全員がオンラインになってくると、1つ不幸なことがなくなってくれる。会議室でのリアル会議だと、僕が話している最中に、僕以外の全員が内職にガチ集中していると、その会議室内に、少し気まずい雰囲気が流れる瞬間ってあると思うのだが、オンライン会議だとそういう問題は発生しない!

日頃のオンライン会議では、本日のアジェンダ 兼 議事録であるGoogle Docsを全員で見ながら進めることが多い。
僕が1つ目の議題を話してるっていうのに、別の誰かが2つ目の議題に対して、コメント機能を使って、気になった質問を書き込んだりしている。
まだそこの議題じゃねー。
まだ僕が1つ目の議題を話しているっていうのに、また別の誰かがその2つ目の議題に書き込まれたその質問コメントに対して、回答を書き込んだりして。
僕が1つ目の議題をまだ話しているっていうのに、もう別の話が続々と解決していたりする。

あと、遅刻してログインしてきた奴が、アジェンダ 兼 議事録 兼 コメントをサッと見て、偉そうに3分後には発言を差し込んできたりする。オマエ、偉そうなんだよ!まぁ僕もやっちゃうけど!

就活の面談では、こちらが採用したいって状況に至るまで、学生さん1人に対して、ガイアックスのメンバー数人が話すことになる。もちろん、そのメンバー間で、それぞれが面談した内容の引き継ぎをするのだが、これがなかなか微妙である。
学生さんの発言内容を事細かに議事録にして引き継ぐのも、なんだかな、って感じ。一方で、全く引き継がないと、学生さんからすると、オマエら何度同じことを言わせるんだよ、って感じになっちゃう。
結果として、読者の皆様もそうだと思うが、「前の担当から、●●くんの●●なところすごく面白いって聞いたよ!まぁでも、何度も悪いんだけど、その学生時代の活動のところ、もう一度、僕にも聞かせてもらっていい?」みたいな、間を取った感じで入っていくのだと思う。

多分、未来のオンライン就活面談の正解は、そうではない。
オンライン面談中にお互いが閲覧可能な議事メモを一緒に作って、その議事メモごと次の担当に引き継ぐべきなのだ。次の面談担当のキャッチアップスピードが半端なく速くなる。しかも会話に無駄がない。そして、学生さんにとっては、この「次の担当」が何を読んで何をどう理解しているのかを、全て、見れば分かる様になるのだ。
もちろん、学生さんと面談担当のお互いのフィードバックですら、もはや、そこに書き込んじゃってもいいのかもしれない。
「この会社、経営方針が疑問。納得できず。」とか。「この面談相手の社員さん、話がくどい。」とか。「この学生さんのボランティア活動、意味がよくわからなかった。」とか。
もはや、だよ。もはや。

ガイアックスでは、お仕事に組み込まれつつある、日頃のオンライン会議では、会議時間がだいぶ短縮されてきている。1時間取っていても、20分ぐらいで終わったりするし、話すべきことが終わったらすぐに解散しちゃう。

そして、オンライン会議は、こういう短時間であるという特徴に加えて、即時性もある。

この前、緊急で、新規大型投資を検討する際に、社外取締役の4名と打ち合わせしようと思ったのだが、往訪してとか、面談してとかって、となると、スケジュール調整で、1週間掛かりっていう印象がある。
一方で、電話でってなると、完了するまで、今から3時間ぐらいかな、っていう感じになる。
オンライン会議は、どちらかというと、後者の感覚である。アポ取って、予定を設定してもいいのだが、どちらかというと、電話で繋がった瞬間に、「今からオンライン会議でもいいですか?」っていうノリである。

これが、即時性である。
雰囲気でいうと、メールというよりチャットである。

 

多分、未来のオンライン就活面談の正解には、この短時間&即時性を取り込む必要がある。

学生さんと対面での面談をして、話しはじめて5分で、「いや、この学生さんは、当社向けではないよ!」って、すぐに感じることがある。でも、わざわざNagatacho GRiDまで来てもらって、5分で帰ってもらうわけにはいかない。結果、30分ぐらい話したりするし、それで、結果として、巡り巡って、僕自身がもっと時間を使うべき学生さんと話す時間を捻出できなくなるのだ。

この前、若手社会人と話していると、「学生の頃、会社に就活面談に行って、5分話した瞬間に、この会社、無いなって分かるときあって。そういう時は、違うのでいいです!ってすぐ帰っちゃいます。」って言ってた。そんな失礼且つ仕事のできる学生さん、そして巡り巡ってお互いにとってベターなことをしてくださる学生さんはなかなか、世の中に居ないのではないだろうか。

そもそもオンライン開催になると、お互い、会議開催コストが低いんだから、面談時間はデフォルト15分ぐらいで良いのではないだろうか。お互い、もっと話したければもっと話したらいいし。
そして、話している最中に、この学生、僕じゃなくて他の人が対応したほうがいい、とか、たとえば、海外事業の話が出てきたりしたら、「ちょっと待って!この話、面白そうだから社内で、インバウンド事業をやっている西村環希も同席させるよ!ちょっと待ってね。環希さん居るかなぁ。」って、その場で別の適切な人間を同席させにいくノリなのだ。
途中参加した人間も、議事録で大枠をキャッチアップしながら、会話として突っ込むべきところに集中させていく。また、内職もできるんだから、学生と1対1ではなく、社会人側が3人でも5人でもいい。
これが、オンライン就活面談のリズム感のはずだ。

 

いろいろ書いてきたが、何より、オンライン就活面談の中での話す内容自体をちゃんと考えなければならない。
だって、リアル面談じゃなくて、オンライン面談だし。

なんとなくリアルで会って就活生と面談をするっていうのは、暗に、リアルの日常生活を引きずっている。つまり、リアルに同僚と会ってランチに行く、とか、定例会議で1時間使う、みたいな日常生活のノリを引き継いじゃっているのだ。なんとなく話して、なんとなく時間が流れていく。もちろん、それによって空気を感じることができるのだが、それは、リアルならではの楽しみ方だ。

パソコンならば、確実に、 Age of Empires: Definitive Edition を楽しむだろう。(20年前のゲームなのだが。)一方で、スマホならば、Matchington Mansion というパズルゲームだ。当たり前だが、別のゲームを楽しむものなのだ。

オンライン面談をするのであれば、これまでの常識をわざわざ通用しにいかせる必要性のない世界なだけに、私たちは、オンラインならではの楽しみ方や味わい方を模索しなくてはならない。

皆さんは、コーチングを受けたことがあるだろうか。
だいぶ前から、コーチングというものは、リアルに対面でっていうケースもあれば、オンラインや電話でっていうケースも普通にある。
そして、コーチ・クライアントの両方の立場で、もちろんリアルの方が良いっていう人もいれば、逆にオンラインや電話が良いっていう人もいる。
人によるのだろうが、実は、オンラインや電話の方が、自分の全神経を、質問と自分自身にフォーカスできる。オンラインというものは、「しょうがなく」でもなく、「対面の代替品」でもなく。オンラインならではの独特の楽しみ方、味わい方があるのだ。

コーチング、、、たかだか1時間の対話なのにも関わらず、人生に大きな影響を与えることがあるのだ。濃いというか、これまで考えてこなかった考えるべき重要なことを考える時間になる、というか。

コーチングに近いが、会話の方法論として、NVC(Nonviolent Communication)というものや、提案営業時の方法論として、SPIN法というものがある。SPIN法は、前職でかなり叩き込まれた。まぁ感動するような営業手法だ。
個人としては、NVCが本当に好き。大好きだ。この考え方に則って会話をするだけで、対立を完全に解消できる。
オンライン就活面談において、もっとも正しい会話の方法論というのは、どういうものなのか、僕には、まだ分からない。きっとまだ多くの方も解明しきれてないと思う。
ただ、少なくとも、リアルの面談な感じの「雰囲気作りから入り、一緒に時間を共有し、全身のセンスを使って、お互い一緒に働きたいかどうかを察していく。」という楽しみ方じゃないはずだ。

対面以上にフォーカスが効いた会話にするべきな気がする。お互いフォーカスするべきポイントに、ちゃんと質問をセットしていくような会話法になるのではないかと思う。
「寿命があと1年だとして、本当に僕と一緒に仕事をするのか?どういう人とどう過ごしたい?」
「入社してから退職しようと悩んだ回数とその中身は?」
「初対面で言うのは憚れるが、ぶっちゃけ、あなたのことをこう感じる。ここが嫌に感じた。」

オンラインだからこそ、一人きりで宙に浮かんでいるところから会話している感じ。だからこそ、恥ずかしがる必要なく、お互い、話しながら普通に泣けるような、そういう味わい方をしたいものだ。

 

リアルでの就活面談のフォーマットそのままに、オンライン就活面談をするというのは、
パソコン用のエクセルファイルをスマホでいじろうとしているのと同じである。

心配しなくても、時代はオンライン化していく。交流はオンライン化していく。就活面談がどうであれ、仕事の現場はオンライン化していく。より断片的で、よりギグエコノミー化していく。
そして、その断片化された個々人全体の大衆や世の中全体に対して、愛情や信頼を持つ時代になるのである。

オンライン就活面談が良いか悪いかではなく、また、するかしないか、でもない。
どのように私たちの体をオンライン就活面談ナイズさせるか、である。

 

ガイアックスでは、社会にオンライン就活面談を推進するべく、オンライン就活というサービスを始めています。

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