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会社全体が、スタートアップスタジオとして、いろいろな新規事業を開発しています。そのような中で、ガイアックスのメンバーは、多くの人の前でプレゼンテーションをする機会が非常に多いです。多くの人の前でプレゼンテーションをするにあたって、プレゼンテーションの中身の組み立て方ではなく、心構えや姿勢として大切なこと、どのようなプレゼンテーションの機会でも活用できる内容を整理しました。ぜひ、オーディエンスの皆様に喜んでもらえるプレゼンテーションができるようになっていきましょう!

上田祐司

株式会社ガイアックス 代表執行役
ガイアックスでは、「人と人をつなげる」をミッションに、ソーシャルメディアとシェアリングエコノミー事業を展開。また起業家が集うスタートアップスタジオという側面も持ち、社会課題を解決するための事業づくりサポート、投資を行う。シェアリングエコノミー協会代表理事。

公式サイト: https://www.gaiax.co.jp/
Twitter: @yujiyuji

上田

今日は、プレゼンテーションで大切な事について、お話をさせて頂きたいと思います。
恐らくビジネスマンをされていらっしゃる方であれば 人の前で話す、たくさんの方々の前で話す機会、というのは たくさんあるのではないでしょうか。
その場で注意すると良い事について、今日はお話をさせて頂きます。

コミュニケーションで重要なこと

上田

最初に、コミュニケーションにおいて大切な事、重要な事、本当に基本的な事ではありますが、相手に物事が伝わっているのかどうか、 というのが最も大切な事になります。
コミュニケーションですから、独りよがりであるという事はもちろん良くないですし、相手に伝わらない喋り方をするというのも良くないです。
相手にご理解いただいているかどうか、 ちゃんと正しく伝わっているかどうか、ということを確認することが、 やはり重要になっています。
前半は、どのようにプレゼンテーションすれば良いのか、後半は、相手が主役だと考えると、相手がどのように主役になって、情報を掴んでいるのか、 という所にフォーカスして行きたいと思います。
恐らく前半部分は 色々なところで見聞きされると思いますが、後半部分がより重要ですので、皆さんもそこをよく気にしていただければ という風に思っています。

プレゼンテーションの基礎

上田

それでは最初に、プレゼンテーションの基礎についてお話させて頂きます。
これは、あくまで自分の喋り方についてですね。
当たり前ですが、まず練習はしっかりしましょう。
練習をすることによって、プレゼンテーションが 上手になることは間違いありません。
そして発言の中に、「えー」や「あのー」「つまり」、「そうですね」や「えっと」のような、このような事は、基本的には使ってはいけません。
またプレゼンテーションで大切なのは 断言をすることです。
正直あなたが、「こうだと思います」と言おうが、「こうです」と言おうが、リスクヘッジにはなりません。
どちらにせよ、発言した事には変わりません。
一方、「何とかだと思います」と言った時には、そのプレゼンテーションのパワーが 下がってしまうのです。
積極的に断言をして、「これはこうなんです」、という風な発言を心掛けてください。
また、プレゼンテーションの中で 緩急をつけることも大切です。
スピードを上げたり、溜めを作ってゆっくりしたり。
よく行う方法だと思うのですが、例えばスライドで、結論のページに行くひとつ前の所で、それでは次がこれの結論なのですが、分かりますか?
のような形で、溜めを作ったりすると思います。
やはりオーディエンスの方々を惹き付けるのに、緩急というのはすごく重要な点だと思います。
同じく、声の大きさを変えるという事も1つ、重要な点かなと思います。
このように プレゼンテーションの基礎がありますが、もう少し高度な点で行くと、プレゼンテーション全体に応じて ストーリーをどのように作るのか、という事も必要となってきます。

プレゼンテーションにおけるストーリー設計

上田

これも同じく、自分がどのようにプレゼンテーションをするのか のカテゴリーになります。
その中の2つ目ですね。
全体的にお話になられたい事を考えたら、まず大きなストーリーを作られた方が 良いと思います。
どのように話を盛り上げていくのか、 話をどんどん乗せていくのか、乗せていくというのは、例えば、テレビ通販などでよくあると思いますが、「これはこんな機能があって、こんなに安いんです。
しかもこの機能も付けます、しかもこうです。
しかも値段はこのタイミングにおいて ここまでディスカウントします。」、のような形で、どんどんと乗せていく方法です。
もしくは、起承転結。
こちらも皆様良くご存知だと思いますが、起から始まって承、伸ばしているように見えて、大きな大転換があり、結末に繋げるという話ですね。
また別のストーリーとしては、ネタを振っておいて最後に回収するという話です。
お笑いなどでよくあると思いますが、話の前半に出てくるネタや謎掛けなど、触れておいて回収しない出来事を置いておいて、最後に全て回収をして行くというような話です。
もう少しシンプルなところで言えば、結論から話すのか、はたまた結論は最後に言うのか。
最初に結論から話したとしても、結論はこうなんです、これについて解説します と言っておきながら、最後結論に戻って来るのですが、できればお土産として しかもその結論についてはこうなんです、という、更なるパワフルな結論を置いておく方が綺麗かな という気はします。
それと、お話の中で、並列事項に関しては、例えば今から3つの話をします、 今から5つの話をしますのような形で、ポイントにまとめて、ストーリーを組み立てていく という事が重要だと思います。
ストーリー設計というのは、この話を3~5行位で表すとすると、どうなのか、というのを 自分の中で整理整頓していく事が重要なわけです。

その場で感情をプレゼンテーションする

上田

続いて必要になる事は、その場で、感情をできるだけプレゼンテーションする ということです。
これも自分の情報発信における、ポイントの3つ目になるのですが、伝えたいのは得てして知識ではなく、感情が伴った知識、もしくは感情そのものを伝える方が 重要だったりするのです。
皆さんもプレゼンテーションをして人を動かしたい と思われていると思うのですが、人を動かす、例えば実際に出資をしていただく、当社に入社をしていただくなど、そのように人を動かすのは、 やはり情報だけではなかなか人は動きません。
やはり感情が伴ってこそ、人が動くわけです。
巡り巡ってプレゼンテーションの中で、どのように感情を、皆様がオーディエンスの方に吐き出して行くのか、 ということがポイントになるわけです。
まず1つ、前提として重要なのが、文章を全部一文字一文字書き起こして、それを読み上げるということは全く良くない事です。
これだけは止めてください。
文章を一文字一文字書き上げて、それを当日話す事で、 感情が乗るという事はあり得ません。
言うべき話を箇条書きにして、もしくは先ほど言った通り、 3~5行のストーリーに仕立てて、そのメモを見ながら喋って行く事が、ベストな方法です。
次に、感情をプレゼンテーションをする、そのものについて少しご説明します。
説明の中に、気持ちがどのようにすれば入るのか、なぜ入るのか、なぜ表現できるのか、 ということを考えていただきたいなと思います。
気持ちを込めて話すぞと思っても、原稿に気持ちの掛け所がなかったら、残念ながら感情を出すことなど不可能なのです。
どこに感情を込めるのか、というポイントを しっかり用意してもらいたいなと思います。
今日お話する内容において、ここに関してはこんな気持ちがあったな、だったらその感情を入れるべく、感情が発生したエピソードを、そこに混ぜ込む事が大切です。
感情というのは喜怒哀楽どれでも結構です。
できれば怒る、泣くなど、そういった感情の方が嬉しいなと思います。
しかし、感情が豊かなことは駄目な事ではないので、できるだけ散りばめながら、そしてキーとなる所には必ず、怒る、泣くなど。
そして幸せな社会をイメージしすぎて、喜びで泣いてしまうような、そのような要素を入れる事が重要だと思います。
怒る、について少し補足しますが、皆さんはプレゼンテーションの中で 思い切り怒らなければなりません。
例えば、地団太を踏みながら、拳を振りながら、顔を赤くしながら、怒らなければならないわけです。
そのようなエピソードを用意して、 怒らなければならないのです。
ただ、怒る対象をあまり具体的なものにしますと、具体的なものを批判しているという事について、如何なものかなということを オーディエンスの方は感じますし、そのような気持ちが、結果として あなたのプレゼンテーションの点数を下げてしまう、という風に考えられます。
怒っても良いのですが、怒るという感情は事実なので、怒る事は素晴らしい事なのですが、怒る対象に関しては気を付けていただきたい。
一番良い対象は自分自身です。
自分自身のあの行動だけは許せない、という風に怒る分には、全く問題ありません。
自分以外のものを怒る際にも、 できれば自分も含めて怒るべきです。
あの時、我が社がこうしたことは本当に腹立たしい、なぜ自分自身が止めなかったのか、あの会社の一員として本当に許せない、と。
そのような言い方をすれば、会社批判ではなく、あくまで怒っているのだという事だけが 伝わって行くと思います。
社会に対して怒る事も駄目ではないのですが、 その時は2つのやり方があります。
自分自身を入れて怒る、今までと同じ方法です。
もしくは社会の中でも擬人化されていて、誰が悪いのかがよく分からないような形で怒る、 というのも1つの方法です。
例えば、現政権を批判したら、「単なる批判ビデオかよ」 という風になってしまいますが、資本主義社会のシステムに対して怒る、この資本主義社会は本当に許せない と言ったところで、誰も、何も悪い感情は浮かんで来ないですよね?
怒るはパワフルですし、お勧めはします。
それに比べると泣くという事、すごく悲しみに泣く、もしくはすごく辛い人のことを頭に出して そのことについて泣く。
これは特にリスクがないやり方ではありますので、特に注意する事なく、 十分にご活用いただけるのではないかなと思います。
話は戻りますが、 プレゼンテーションの目標は心を動かす事です。
その為にあなたが どのようなプレゼンテーションをするべきかという事は、あなたの心が動いている事を表面化させることが 重要なわけです。
事実を伝えるのではなく、喜怒哀楽を伝えるということを、意識してもらえたらなという風に思っています。
ここまでが概ね前半の、あなたがどのようにプレゼンテーションをするべきか という話でした。

主役は誰か?

上田

ただ、それは実は重要ではありません。
今までお話した話は、常識として捉えていただいて、ここからの話が本番になります。
まずオーディエンスの方がいらっしゃって、 プレゼンデーターの方がいます。
あなたですね。
この時において、主役は一体誰なのか?ということです。
主役はあくまでオーディエンスの方々です。
皆さんの前であなたがプレゼンテーションをして、すごく気持ち良くなって自分自身の満足度が高い、これはジャイアンの歌なのか!と言う位、全く意味がない活動なのです。
重要な事は、オーディエンスの方々が感動すること、満足すること、理解をすること、 こういった事が大切なのです。
では、このオーディエンスの方々を、主役にするためには一体どうしたら良いのか。

オーディエンスを主役にするには?

上田

オーディエンスの方々が、話を聞きやすくする為に、あなたが話し方を練習するのは、当然の事です。
しかし、それは大切な事ではありません。
最初の第一歩ですし、究極的に言えば、あなたの話し方がすごく下手でも、 実は全く問題ありません。
オーディエンスが主役なのだ、という意識を持ってプレゼンテーションに臨んで、しっかりそれを実直に実行すれば、話し方が下手でも実は大丈夫なのです。
そして、プレゼンテーションを上手にする、 発表内容を上手にするのは、発表内容が変われば毎回練習が必要になりますが、オーディエンスを主役にするという手法に、実直に取り組み、スキルを身に付けさえすれば、一度そのスキルが身に付けば、どのようなプレゼンテーションでも ご利用が可能になりますので、そういう意味では、 このスキルを身に付ける方が重要です。
そして、あなたの話が上手いことよりも、やはり主役の皆様が満足しているかどうか、というのが、本当のKGIですから、そこにフォーカスした考え方に則って、プレゼンテーションする事が より本来論ではあるわけです。
前半部分も当然大変大切なのですが、今からお話する後半部分の方を、より皆さんには 身に付けて頂きたいなと思っています。

「見る」の大切さ

上田

では最初に、オーディエンスの方を主役にする初めの第一歩、それは「見る」です。
オーディエンスの方を見ることが大切です。
皆様が壇上に立っています。
もしかしたらオーディエンスの方が 10人いらっしゃるかも知れません、100人、1000人いらっしゃるかも知れません。
重要なことは10人、100人、1000人を見ることです。
それではどのように見るのか? 徹底的に見ることが大切です。
どんな人がいるのだろう? どんな気持ちで今僕を見ているのだろう?
みんなは疲れているのか、いないのか・・・
例えば、付き合い始めて半年目の彼女と デートに行きました。
彼女が今どんな気持ちなのか、つまらなさそうにしているのか、早く帰りたいのか、 当然あなたは見ますよね?
これと全く同じ話です。 見ずして話はスタートしないですよね?
オーディエンスの方々が、一体どんな状況なのかを、しっかり見る事が大切です。
見るという事を隠れて行う必要はありません。
見ているぞ、ということが しっかりオーディエンスの方々に伝わるように、見て頂いて大丈夫です。
壇上に呼ばれて壇上に上がりました。
オーディエンスの方を、皆様どんな人が来ているのかなと、 ぐるりと一周見ること。
このアクションは、オーディエンスの方々からすると、全く嫌な気持ちにさせることではありません。
むしろこちらを一切見ずに喋られた方が 「この人やる気あるのかな?」となります。
言ってしまえば、「俺の事を見ないのなら、俺もお前の事を見ないぞ」 という風になりかねないのです。
安心して、好きなだけ見ていただいて構いません。
そして、すべてのアクションは 見るところからスタートして行きます。
講義の初めに見る事も大切ですが、講義中ずっと見る必要がありますし、色々なやり取りの中でしっかりと見る、 という事を忘れてはなりません。
「見る」の次に出て来るのが・・・ 分かりますよね?
「聞く」です。

「聞く」のバリエーション

上田

聞いてなんぼ、なのですよね。
もちろん、静かな会場ですし、 あなた以外は喋っていませんから、別に耳を澄ましても何も聞こえません。 しっかりと聞くことが重要です。
「この問題が分かる人はいますか?」、こういう形で聞く事が大切です。
聞くにも色々なバリエーションがあります。
1つ目は実際に指をさして、 誰かに答えてもらう方法です。
〇〇さんや、そちらにいらっしゃる方、今の私の発言に対してどのように感じましたか?
この問題の解決方法は分かりますか? こちらの3番目の方お答えください。
誰かを当てると、オーディエンスの方々はどう思うのか。
オーディエンスの方々は、同じく我々はオーディエンスだということで 一体化しているのです。
その一体化しているひとつの細胞に 視線があたった段階で、当然この当てられた人は緊張します、ビクッと。
俺か、ヤバい、緊張だ。
この緊張は、同じグループである、オーディエンスの皆さんもビクッとします。 分かりますか?
誰かを当てるだけで全員がビクッとするわけです。
ですので、誰かを当てていただいて構いません。
それでも皆さんの満足度に繋がります。
オーディエンス側に答える立場の方がいれば、同じように他のオーディエンスの方々も、自分を中心に話してもらっていると感じるわけです。
意味が分かりますか?
例えば就職活動の説明会で、学生さんに、 〇〇さんは当社の事をどう考えていらっしゃいますか?
当社に対して質問がありますか?と聞く。
自分とは関係のない学生さんが会話をする事によって、自分の代わりに会話をしてくれていると感じるわけです。
主役が誰なのか? オーディエンスの皆様方が主役になる、これがひとつのステップになります。
もう1つの方法が、 手を挙げて答えてもらう、です。
誰か分かる人?と言って、 手を挙げて答えていただくのではなく、それでもいいのですが、例えば、今大学1年生の方いらっしゃいますか? 手を挙げてください。
大学2年生の方いらっしゃいますか? たくさんいらっしゃいますね。
やはり1年生の方と比べて 2年生の方は、顔がしっかりしてきていますね。
何でも良いのですが、 このような形で手を挙げていただくという事です。
この話に賛成ですか、反対ですか? 賛成の方はどうですか?反対の方はどうですか?
手を挙げて頂いて、またしっかり見るわけですが、結局プレゼンテーターのあなたが、皆さんを見るときに、見切れない所があるわけです。
表情を見るだけでだいたい分かるのですが、とはいえ、よく分からないわけですよ。
この話に、賛成なのか反対なのか分からない。
賛成も、5割の人が賛成なのか8割なのか分からない。
分からなければ聞いてしまえば良いだけなのです。
どうなんですか?と聞いて それが分かるだけで、当たり前ですけど、まともな日本人で、まともなプレゼンテーターだったら、皆さんの手を挙げられた状況に応じて、話の内容を変えると思うのです。 それが重要なのです。
しかし、状況に応じて対応を変える事は あまりにも当たり前です。
重要な事は「見る」や「聞く」なわけです。
まず、状況を掴む。
状況さえ掴んでしまえば、 話は後でいくらでも変えられるのです。
そういった形で聞く事が重要です。
聞く方法の3つ目は、誰も当てないし、手も挙げさせない。
しかし話の仕方で「聞く」。これだけでも充分です。
分かります?
例えば今言った僕の「分かります?」、これはYouTubeの動画ですから、分かります?と聞いても、 全然誰かに聞いているわけではないのです。
しかし、このような言い方をするだけで、自分の事を聞かれているのだ、 自分にフォーカスされているのだ、と意識をするわけなんですよね。
聞くというのはすごく重要です。
「見る」と「聞く」が全ての物事のスタートです。
ですからこのふたつは、 特にオーディエンスの方々を主役にする為に、重要なポイントだという風に ご理解いただければと思います。

評価をする

上田

次は、評価をするという事です。
主役はあくまでオーディエンスですから、オーディエンスの状況を口に出すことが大切なのです。
あなたが自分の話をしても、正直誰も興味がありません。
さすがにあなたの話を聞きに来ているので、 興味はあるのですけれど、厳密に言えば、より自分の事の方が興味があるわけです。
例えば、どこかにデートに行きました。
俺ってかっこいいよね、 俺の服ってどう?俺のこの新しい帽子どう?
こんな話は誰も聞かないわけです。
今日着てきた服かわいいよね、この鞄どうしたの?
こういった話の方が、相手からするとはるかに、私が主役なんだという事が伝わって来るわけです。
これは1000人の場面でも同じです。
「今日いらっしゃっている皆様は、本当に騒がしくて人の話を聞かれないですよね。」、もしもそれが事実だとしたら そのように評価するだけで良いのです。
どのような状態であるか、プレゼンテーターとして、代理人として、皆さんの状況を口にして表現するだけで良いです。
先ほどの「見る」「聞く」というのと 組み合わされる話なのですが、例えば、質問などに答えていただきました。
答えていただいた事にも評価することが大切です。
「今日は本当に賛成の方が多いですよね。」など、例えば見ていて、色々な事を感じるわけです。
「すごく真剣に聞いてくださっている」とか、「1つ目の話と2つ目、3つ目の話を考えると、2つ目の話だけはよく聞いてくれていたけれど、1つ目と3つ目の話はほとんど聞いていない」など、そのような感じたことを、どんどん口に出して評価をしてあげるべきなのです。
もちろん何か作業をしてもらい、 作業に対する評価というのも良いです。
作業というのは、 「グループで少しディスカッションしてみて下さい。
どうですか?ディスカッションしてもらった結果、前後左右の4、5人で話してもらって、思いついた人は手を挙げて下さい。」と言って、発言した内容に対して評価をするわけです。
「このグループは素晴らしいですね、と言うか 今日いらっしゃっている皆様も素晴らしいですね!」、という形で評価して結構です。
どうすれば皆さんを評価できるのか という事を考えながら、評価をして頂ければなという風に思います。

読むのではなく話しをする

上田

そして続いて、少しマインドよりの話になるのですが、喋り方についてのお話です。
オーディエンスの方が主役になる為には、喋り方を気にする必要があります。
どのような喋り方をする必要があるのかと言うと、話をするような話の仕方が必要です。
難しくはなく、実はすごく簡単で、皆さんが、特に小学生の方にはあるあるなのですが、30人の前に立って何か話をするとなると、急に読み上げたような話し方になるのですね。
今日は1日いかがだったでしょうか?
そのような話し方に急に変わるわけです。
彼や彼女と 「お疲れ、今日どうだった?」と話をしたら、急にふざけた、くだけた感じで、「みんなの前で喋ったけどちょっと緊張したよ」、「あ、そうなの?」のような、 普通の会話をするわけです。
皆さんも結構そういう傾向があるのです。
皆の前に立つと、急に喋り方が変わるわけです。
別の言い方をすると、皆さんの前で喋っている喋り方を録画して、友達2人で喋っている時の喋り方を録画します。
この2つを見比べた時、どちらが1000人の前で喋っていて、どちらが2人の前で喋っているのか、 当てられるわけです。
これが当てられるようでは駄目なのです。
1000人の前でも、あたかも2人の前で喋っているかのように、喋る必要があるのです。
例えば、僕がここに座っていて教授が前にいます。
教授が僕に色々と教えてくれています。
この場面で僕が寝ると思いますか? 絶対に寝ないですよね。
当たり前です。 教授が目の前にいて僕がいるわけですから。
色々話をしているのですが、僕が寝るわけがない。
しかし、大学の授業に行きました。
教授が教壇に立ちました。 僕以外に1000人の学生がいます。
この時の教授の喋り方は、本当に眠くなるわけですよ。 これはなぜだか分かりますか?
喋り方が違うのです。
当たり前ですが、 2人の時には教授は僕にフォーカスしています。
僕しか座っていないわけですから。
だから僕にフォーカスして、 僕にフォーカスした喋り方をする。
僕は、僕が主役。
教授も別に僕を主役にしようと 思っていないかも知れませんが、少なくともこの世界は2人で構成されているので、50%位の主役度はどうしても感じるわけです。
その時の喋り方、分かりますか? 少し難しいですかね?
相手の反応を見ながら喋るわけですね。
これと全く同じやり方を、1000人の場、100人の場でやらないといけないのです。
しっかりと話しかけて、反応や様子を見て、分かったかな?というのを感じながら喋るわけです。
しっかり、あたかも2人で喋っている様に喋ると、相手も「あれ?僕とあの壇上の人と、もしかして2人だけの世界があるのかな」 と勘違いしてしまう訳なんですよね。
実際は勘違いしませんが。
そういう風な喋り方をする事によって、決して眠くならないし、 自分が主役度というのが上がってくるわけです。
当然、2人の時には相手の名前を何度も呼ぶと思います。
上田さん、これ分かりますか?のような。
それと同じく、マスの場、1000人の場でも、相手方の名前をたくさん呼ぶ必要があります。
今日集まられた1000人の団体名が、 何か分からないですが、就職希望の学生さんかもしれません。 そういうグルーピングでも結構です。
もしくは一部の学生さんのグループを指しても 大丈夫です。
もしくはそのうちの1人を指しても大丈夫です。
どんどん名前を呼んで、 実際に質問まで繰り広げるかは別ですよ。
繰り広げなくても、相手方の名前を呼びながら、普通の会話のようにお話をしていくことが大切なのです。
では、続いてです。
もう少し今の話を突っ込んで行くと、

話をするのではなくぶっちゃける

上田

話をするのではなく、ぶっちゃけていく位の感覚がやはり重要なのです。
皆さんが感じていらっしゃる気持ちが、ぶっちゃけなんか急に・・・
マスの場、その1000人の場の事を マスプログラム、マスの場と言いますが、そのマスの場になると急に やはりぶっちゃけなくなるのです。
結局言いたいのは、こちらの感覚を ぶっちゃけたところ相手に渡してしまい、相手と共有できるかどうか という事が重要なわけですから、本当にぶっちゃけベースで喋っていく事が大切なのです。
やはり笑いが起こる所や、うんうん、と頷いている所というのは、 建前の話ではなく、ぶっちゃけの話なのです。
そのぶっちゃけ話を建前っぽく話している事は やはり少なく、ぶっちゃけの話は、 ぶっちゃけっぽく話しているわけです。
そういった所を意識しながら話す事が、相手方に自分の情報がパッと全部渡るような、ポイントになって来るのではないかな という風に思います。

どのように練習をしたら良いのか?

上田

今お話ししたような事が、オーディエンスの方々を いかに主役にするのかという話です。
これをどのように練習をしたら良いのか という事を、少しお話しさせて頂きたいと思います。
僕は、実は学生時代、キャンプ場でキャンプカウンセラー というものを行っていて、夏の間、キャンプ場で5回、10回 キャンプファイヤーの運営をしていました。
皆さん想像してくださいね。
小学4年生~6年生の子供達が、100人集まって、2時間のキャンプファイヤーの運営を、僕がするのです。
2時間ですよ! 結構コンテンツも多いし、セリフも多い、言わければならない事も沢山あるわけです。
2時間の司会ですから、一生懸命覚えるだけで大変です。
しかし、そのキャンプ場は独特の、司会進行に対する教育プログラムがあって、それがどんな教育プログラムだったのかを 紹介したいなと思います。
僕が前に立って、 キャンプファイヤーの司会進行をすると、僕は大学3年生で、大学4年生の先輩が、ノートを持って、メモを付けているんですよ。 分かります?
2時間僕がずっと司会進行しているのですが、 ずっとメモを取り続けているのです。
キャンプファイヤーが無事終わりました、反省会です。
その先輩が何のメモをつけているかと言うと、なんとその2時間、100人の子供達が、どんな動きをしていたのかという事を 全部メモしていたのです。
分かりますか?30分の段階で、左から3つ目の班の男の子がトイレに行った、1時間40分位経った時に、あくびをしている子が目立つようになった、子供達の盛り上がりは、ここが最高潮で、ここは盛り下がっていたなど。
ずっとメモをしながら2時間、 横でチェックをしているのです。
僕は自分の司会進行が終わった後、 その先輩のレビューの間、その先輩がメモをした中身を 全部当てに行かないといけないのです。
分かります?
2時間、僕が話すべき発言を、間違えずにしゃべったかどうかを チェックしているわけでもなければ、そこが採点対象になっているわけではないのです。
いかに僕が2時間、この視聴者の100人をしっかり見ていたのか、という事だけにフォーカスして、 点数が付けられているのです。
僕は全部当てに行かないといけないから、必死ですよ。
2時間、自分が喋ることはさておき、この子供達が、一体どんな動きをしているのか、どんな表情なのかというのを全部見ないといけないし、 全部覚えないといけないのです。
ただ、それさえすれば、キャンプファイヤーの場が 盛り上がらないわけがないのですよね。
僕が全部拾って行くのです。
はい、トイレから帰ってきましたね、 じゃあ本番行きますよ、このようなひと言を挟むだけで 場はバッと盛り上がりますし、「さっきから見ているけれど、先頭の君ね、本当に血眼になって応援してくれていてありがとうね!」、と言うだけで、オーディエンスの皆様全員が 褒められた気にもなるわけです。
常にこのオーディエンスの皆様をしっかり見て、そして聞いてキャッチする。
これさえできれば、始めにも言いましたが、話し下手でも大丈夫なのです。
もちろん1回説明して1回で伝わるような プレゼンテーション能力がある方が良いですよ。
でも、相手の事をしっかり見れる人であれば、説明能力が低くて説明が出来なくても、「今のでは伝わりませんでしたよね、 もう1回お話ししますね。」、と言って、説明すれば伝わるわけですから、 全然それで大丈夫なのです。
もっと言えば、 「今の説明で分かりにくい所がありましたか?
すみません、少し聞かせてもらっても良いですか?」、と言って普通に会話をすると、まともな人間であれば、 結果コミュニケーションができるわけです。
マスの場だからといって急に対話やコミュニケーション、主役であるオーディエンスを蔑ろにするから、眠くなるようなプレゼンテーションが 続出してしまうわけですよね。
話は戻りますが、皆さんは、ぜひマスプロの練習に関しては、今のようなやり方を取り組んでみてはいかがかな という風に思います。
以上、プレゼンテーションの方法について、お話をさせていただきました。

脳と脳をつなげる

上田

プレゼンテーションの皆様方が、お持ちである何かを、主役であるオーディエンスの方々に 持って帰っていただく。
皆さんの感情や、知識、そういった脳の中身を、オーディエンスの方の脳の中にシェアして、持って帰っていただく、という事が プレゼンテーションなのだと思います。
是非視聴者の方、 オーディエンスの方こそが主役であるんだ、そういった人に、脳と脳を繋げて、全部持って帰っていただくぞ、というような気持ちを持って 取り組んで頂きたいなと思います。
以上で、本日は終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。

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