skip to Main Content

10年前の今日、ガイアックスは、名古屋証券取引所のセントレックス市場に上場した。今日で無事、10周年を迎えることができた。
本当に、株主のみなさま、お客様や提携先のみなさま、一緒に事業を展開してくれているメンバーのおかげである。こんな上下動があって、決して中期的に続く強い事業を持っているわけではなく、一言では説明できない会社なのに。皆さんにご支援頂いていて。ありがたい話だ。

この感謝の気持ちは大きすぎて、簡単には伝えきれるものではないが、お取引先のみなさまや昔ガイアックスで働いてくださった方向けに、11月ごろに感謝の気持ちを込めて上場10周年のイベントを開催しようと思う。ぜひ皆さん遊びに来てもらえると嬉しい。

 

10年前、上場当時の業績は、売上14億円、利益1億円ぐらいだった。
上場してから、公募やライツ・オファリングで集めたお金を毎年事業拡大に投資をして、利益は出たり出なかったり。売上は3倍にはなった。普通に考えて、利益ではなく投資に回すというのは、ありえるジャッジかもと思うものの、ベンチャー企業なんだから売上3倍にするのに10年掛かるのは、本当にダメだと反省する。10億円規模からの成長であれば、3倍程度であれば3年から4年で実現しないと。

10年で3倍のペースだと、20年で9倍、30年で27倍、つまり売上400億円。あと20年もやって、売上400億円って。うーん、これアカンやつや!

正直に言って、経営の中枢課題として、売上規模を念頭におきながら事業をやっているわけじゃない。シェアリングエコノミーなども含む、ソーシャルメディアの事業をやっていて、社会に役に立つ、社会に大きなインパクトを出せる事業づくりを念頭においている。目指しているのは、なんとか会社が存在している、のではなく、一つないし複数の事業でダントツなポジションを持っており、社会に大きなインパクトを与えている状態である。そのような状態であれば、売上がそんな小さな規模であるわけがない。

それを実現していて、20年後に売上400億円って、わけない。それだとアカンやつや!

ほんと、もっとがんばろう。
ソーシャルメディア、シェアリングエコノミー、などなど、追い風はまだまだ吹いている。もっと社会は変わる。未来はこんな状態ではない。もっと人と人がつながっている。

 

●事業内容について

創業したのは、15年前。
ガイアックスが創業をした、その分野は、ソーシャルメディア。
素晴らしい事業分野だと常に思う。この分野を選択できたこと、この分野に自分の人生を捧げていることは、嬉しい。嬉しくてしょうがない。いつもそれは自分の感情の根本部分を流れている。

・人と人がつながり、他人が知り合いになり、他人のことですら自分のことと思える社会に向かっていく。
・資本主義社会に限界が来ている中、新しい社会の枠組みとしてソーシャルメディアが浸透していく。
・素晴らしい事業分野、最高にやりがいのある事業分野。

ガイアックスは、ソーシャルメディアの業界において、多くのサービスを、業界内で先陣を切って、もしくは、カテゴリトップを取ってきた。今でいうブログのようなサービスを1999年に開始した後、あしあと機能、アバター、ビデオチャット、社内SNS、学校裏サイト対策、ソーシャルリスニング、ネット選挙対策などなど。

その他にも、数えきれないぐらいのサービスをやってきた。時代の移り変わりの中で、廃れていったサービスも多いが、それはそれで、その時代において役目を果たしたと思う。その時代において、多くの利用者に多くの感動を提供してきた。たとえば、私達が提供したサービスで、出会って結婚された方なんていくらでもいるだろう。企業さまからも、いつも、最先端で面白い会社だと評していただいている。

今後も、ガイアックスは、ソーシャルメディアのジャンルで、多くの領域を開拓していくつもりだ。

 

●働く環境について

創業した15年前から、このソーシャルメディアの事業分野で社会にインパクトを作っていくこと、に加えて、もう一つこだわっていることがある。働く環境だ。
「働きがい」があること。刺激を与え合い、アントレプレナーシップを一緒に育てていくこと。もちろん、もっともっと、働きがいがある環境を作ろうと思っているが。

今の環境は面白いのは絶対に面白い。こんな素敵なメンバーに囲まれて、自分たちで未来を話し合い、事業を構想し、そして組み立て、社会にリリースして、お客様に喜んでもらい、運営を組織化し、その組織を強くしていく。
こんな楽しいお仕事はない。いわば、もはやお仕事でもない。すべてを投げ打ってコミットし続ける甲斐のあるものだ。一人ひとりの本気が求められ、やり甲斐の大きさにワクワクし、多くの人に人生を掛けてきてもらっている。

 

●ガイアックスの上場マーケットへの依存について

こんな素敵な事業、そして、こんな素敵な環境がある大きな要因は、上場10周年を迎えるからのコメントではないが、資本市場、つまり上場マーケットのおかげである。
ガイアックスほど、上場マーケットに依存している会社はないだろう。

 

15年前の1999年3月に会社を設立し、そして2ヶ月後に、最初の投資家からのファイナンスを行った。

その後の、創業1年経過時点でも、想像できる方は想像できると思うが、財務的には、むちゃくちゃな状態である。机の真ん中に置いている空き缶に1万円札をたくさん入れておいて、みんなが領収書と入れ替えにお金を持っていく。締めてみると100万円単位で使途不明金が。資金が厳しくなると、前職の退職直前に作成しまくった個人のクレジットカードからガンガン振り込んでいく。経理担当が、給料振込み日をてっきり忘れて、おかげで個人のカードの決済ができず、三井住友VISAカードにブラックリスト入りする。最近やっと復活したけど。
そして、当然に赤字。

そんな状態のくせに、断続的に増資をしながらも、創業1年2ヶ月後には4億円をファイナンスした。当時、この過程は、テレビに密着取材されて放映までされた。

しかも集めた4億円は、1年半ぐらいできっちりと使い切って、リードキャピタルのSBIさんに、2億円ぐらい「オカワリ」をおねだりした。お金が無くなってしまった状態は厳しい状態だが、持たざる者は強い者でもあると感じた瞬間でもある。

会社設立から3年半後、既存の株主さんから怒られたことがある。
「上田さん、2年で上場するんじゃなかったのか。早く投資した資金を売却させろ。」

うーん、厳しい!!
でも、たしかに、僕の口から2年で上場するって言ってた。そう言ってお金を集めたし。てへ。
そういった株主さんの株式も数多く譲渡した。今はもう倒産してしまったが、僕の出身会社のベンチャー・リンクさんも譲渡で1億円引き受けてくれた。

結局、未公開時代において、投資家の皆様には、増資分と譲渡分で合計10億円分ぐらいは引き受けてもらった。

 

こんなにお金を出してもらえたらのは、なぜか?
信頼してくださったというありがたいことが前提であるが、なにより、当たり前のことであるが、一番の理由は、「投資した数億円の株式を、その後、高値で売却できうる可能性があるから。」である。高値で売却しうる可能性というのは、つまり、上場、そして、上場マーケットの存在のおかげである。上場マーケットが日本に存在してなければ、当然ながら、ガイアックスがいかに魅力的でも、株を買ってくれないだろう。

僕は、会社設立時から、将来は上場するんだ!って言ってた。ベンチャー・リンクで叩きこまれた精神でもあるが、会社は社会のもの、ついては、会社の所有者は社会があるべき、と思っているぐらい。上場が当たり前だった。

そして、その当たり前の感覚に、当たり前に依存した。エクイティ・ファイナンスをほとんどせずに、上手に事業を作られて、営業利益でしっかりと事業を拡大されている会社さんがいるが、ガイアックスは残念ながらそういう会社ではない。依存して、7億円分ぐらいお金を集めて、そのお金で年商14億円ぐらいの事業を作って、上場した。

上場して公募で集めたのが6億円。株式交換用に株券を刷ったのがさらに2億円。別途、上場企業という信用に基いて、10億円ぐらいの借入も実施している。配当や自社株TOBなどでマーケットに還元したのは3〜4億円ぐらいあるかもだが、基本は、これらの資金もきっちりと使って、それをベースに事業拡大をしてきた。それらのお金で会社や事業を買収してきた。それらの買収してきた会社や事業がなければ、今のガイアックスは存在しない。

それだけではない。セカンダリーのファイナンスもしっかりやっている。よく上場時のIPOしかファイナンスできないよ、って嘆いている方もいらっしゃるが、ガイアックスはそうではない。ライツ・オファリングで10億円さらに集めた。まだまだ使い切ってないけど。今も、多くの事業のいろいろな仕込みをしているが、その仕込みのための資金として、しっかりとこの10億円に依存しているのだ。

しかも、経営戦略上、これから、ガイアックスの上場マーケットへの依存度はさらに上がっていく。

・投資事業の開始
今年、2015年から事業内容の一部として、投資事業のセグメントも用意した。当然であるが、投資事業の目的は、未公開時期に投資をして、その株式を上場後に高値で売却することである。

・カーブアウトの制度
正式に、事業をその事業に関わっている社員によるカーブアウトの制度も用意した。全事業が申請可能である。これは、ガイアックスの未来の収益と、そのカーブアウトした社員の報酬を、上場マーケットに依存する、とも言える。

・ストックオプションの活用
既存メンバーや新規採用メンバーに対しても、ストック・オプションをフル活用することで魅力的な報酬制度を用意している。特に、報酬および業績の上振れ分の多くは、通常の給料ではなく、ストック・オプションの仕組みを活用し株価が跳ねた分としたい。

 

日本に存在する分厚い上場マーケット。

ガイアックスは、残念ながら、決して、事業自体で、収益的な意味で、ヒットはそこそこ打っているが、ホームランは打っていない。それだけに、やはり、このマーケットをフル活用して、依存して、事業を作ってきていると言っても過言ではない。この分厚い上場マーケットのおかげで会社が存続していると言っても過言ではない。

 

だから、本当は、ガイアックスは、他の会社以上に、マーケットに感謝をしなければならない。
本当は、ガイアックスの創業者で経営者の僕は、誰よりもマーケットに感謝をしなければならない。
おそらく、日本人における「お前、上場マーケットに感謝しとけよ。」リストで、トップ1、2を争うのではないだろうか。

・社会に意義のある多くの事業を展開してきている。ガイアックスのサービスで社会に影響を与え、多くの方の人生を豊かにしてきた。

・働くにあたっての素晴らしい環境があり、このガイアックスの環境の中で、多くのメンバーが人生を掛けることができた。多くのメンバーが人生を掛ける場所にしてくださり、多くの喜怒哀楽を体験している。もうプライスレスな感じ。

・これらの事業内容と環境は、事業自体というより、かなりの比率をエクイティファイナンスに頼り、上場マーケットのおかげで実現してきた。

・今後も引き続き、ベッタリと依存度を上げていっている。

 

上場マーケットって。そう、ガイアックス株を売買してくださっている投資家の方はもちろんのこと、その方々だけでなく、日頃から上場マーケットに参加されている投資家の方、それらの方をサポートする証券会社の方、ファンド関連の方や、監査法人の方や取引所の方。

きっと証券会社で働く方々とかって、お客さんである投資家さんが収益を上げたりすると、すごく感謝されたりとは思う。でも、その横で、あなた方が日頃育ててくださっているマーケットのおかげで、こんな素敵な物体、ガイアックスが、世に生まれて拡大をしていっているのだ。

トップ1、2の僕とかですら、日頃から感謝の気持ちを発信していないから、きっと本人たちも日頃から意識してないだろうけど。

 

僕達の最高の日々は、本当に、マーケットを支えてくださっている、みなさまのおかげ。
ガイアックスの最先端の事業も、働きがいがある環境も、本当に、マーケットを支えてくださっている、みなさまのおかげ。

感謝してます。
そして、これからもお世話になります!

 

ところで、明日から、名証さんのHPのここにも掲載されるみたい。名証さんから、連絡が来た。
あれっ、これ本当にアカンやつや!

 

Back To Top