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起業をしたい学生として、どのように、起業をすればいいのか、についてお話します。学生さんからいただいた質問に回答する形になっています。

上田祐司

株式会社ガイアックス 代表執行役
ガイアックスでは、「人と人をつなげる」をミッションに、ソーシャルメディアとシェアリングエコノミー事業を展開。また起業家が集うスタートアップスタジオという側面も持ち、社会課題を解決するための事業づくりサポート、投資を行う。シェアリングエコノミー協会代表理事。

公式サイト: https://www.gaiax.co.jp/
Twitter: @yujiyuji

起業する際にどうやってアイディアを思いつくのか?

学生A

起業する際に そもそもまずどうやって、アイデアというのを思いつくのかというのを、質問させてもらいたいです。

上田

アイデアなんですけど、やっぱり自分なりの強みがある方が いいんですよね。
例えば、個人として好きなカテゴリーとか、勉強している内容とかってありますか?

学生A

うーん 勉強している内容・・・
英語がシンプルに好きで、英語の 例えば文法とかボキャブラリーとか、そういうのを勉強するのが好きです。

上田

例えば どんな勉強ツールを 使っていらっしゃいます?

学生A

例えば単語帳を使ったり、あと 文法の本を使ったり、あとはYouTubeとか動画で リスニングの勉強をしたり、動画で教えてる人の講義的なものを 見たりして学んでます。
あとインスタとかも。

上田

そういうことをやっていて、こういう勉強ツールがあったらいいのになとか、こういうところがちょっと使い勝手が悪いなとか、なんでこういうサービスが世の中にないんだろうとか、そういうのを思ったりしません?

学生A

たまに思うこともあって。
例えば 普段の生活で使うような、英語みたいなのを発信する人が、今 結構出てきているんですけど、それまではあまりいなかったので、やっぱりこういう人たちがすごい新しい発想で、英語学習者にとってすごい便利っていうか、役に立つ情報を発信してくれてるんだなって、すごいなって思います。

上田

なるほど 聞いてる方も 勉強になりますよね。

学生A

はい。

上田

例えば 僕なんかは英語の勉強を しているときに、ギリギリついていけなかったりして、面白くなくなったりするんですよね。
なんか分かります?

学生A

はい 分かります。

上田

僕のレベルに合わせた単語だけを駆使して、そういうドラマをつくってくれたらいいのに、というか1つのドラマを僕が理解できる単語だけで、アフレコとサブタイトルを入れてくれたらいいのにとか、そうするとストレスなくずっと見てられるし。
それでも専門用語は出てくると思うんですけど、これは難しいっていう専門用語については、そこに字幕を入れてほしい、日本語字幕をそこに足しておいてほしいなみたいな。
英語のドラマとかNetflixとか観始めたら、もう何十時間も見ているのになんら疲れないのに、なんか腹立たしいなとかって思っていたら、最近そういう形のビジネスを始めた人がいて、こういうビジネスうまくいくと思いますよという話を、実際してたりしたんですけど。
話は戻って やっぱり世の中で、No.1のサービスしか生き残れないので、自分が詳しい分野とか 自分がこだわっている分野とか、自分が勉強している分野から やっぱり思いついた方がいいということですよね。
そこでやっぱり不満に感じることとか、これこうだったらいいのになって思うことから、ビジネスを考えた方がいいと思います。
実際には そのサービスを作った時に、これってマーケットサイズ大きいの?とか、収益構造はすごく堅いのか?とかって、いろいろあるんですけど、初期の段階ではあまり気にしなくて いいんじゃないかなと思います。
いいなと思ったら それを取りあえず突き進めば、いいんじゃないかなと思います。

学生A

なるほど ほんとにちょっとした 身近なことからヒントを得て、そんなに難しく考えないでも 最初はいいのかなっていうふうに思いました。

上田

そうですね。

具体的な起業プロセスを教えてほしい

学生A

ちなみに アイデアっていうのを、身近なところからちょっとでも探し出して、その後にどうそれを具体的に起業のビジネスとしてつなげていくのかという 起業のプロセス、というのを 企画とか広告とか、そういった観点からお聞きしたいです。

上田

起業のプロセスとしては、これも何回か起業していると 相場感がついてくるんですけど、そうじゃない中でどうやっていったらいいかって言うと、いろんなところで まず情報発信した方がいいと思うんですよね。
よくビジネスアイデアを思いついたけど、このビジネスアイデアを盗まれるのが怖いから、あまり情報発信しませんみたいな人も いるんですけど、ほぼ そんなことをしても意味がないので。
アイデアっていうのは たぶん同時に、世の中の人が思いついているんですよ。
世の中中の人とは言いませんけど、 世界中で見ると おそらく、あなたが思いついた瞬間の以前に、100人以上の人が思いついていると思うんですよね。
結局 ビジネスをやっていても思うのは、アイデアを思いつくのが世の中を制するのかと言うと そんなことはなくて、やっぱりビジネススキル・経営スキルがある人が、世の中を制圧しているので、アイデアを大切にして内緒にする必要はまずないです。
できるだけ分かりやすく できるだけきれいにつくって、いろんなところで情報発信した方がいいと思います。
人・モノ・カネとかって言いますけど、これを手伝ってくれる人を、どんどん探すべきなんですよね。
手伝い始めたら その人も基本的には、起業された方と同じ立場になるんですよ。
例えば 300万円出資するよと言って、300万円出資した人からすると、何て言ったらいいのかな・・・
ともすると起業した本人は10万円しか出してないから、起業した本人以上に、このビジネスを何とかしなければと 思うわけなんですよね。
分かります?

学生A

はい。

上田

例えば 手伝い始めた人からすると、俺 手伝い始めたけど、これがちゃんと会社法人になって、その後エクイティファイナンスして、その後会社が大きくなってきたら、当然 初期に手伝った俺って ストックオプションももらえて、当然 俺も億万長者になれると思うんだけど、でも そこまで行かんと俺1円にもならんわ これ っていう状態になって、手伝い始めたら最後、起業家と一緒の立場になっているわけなんですよね。
そういう人が増えてくればくるほど、正しい起業プロセスに近い行動が できると思うんです。
だから 正しい起業プロセスをつくるというのと、起業プロセスに入るというのが、ほぼ同時にやっていかないといけなくて、ともかく人を巻き込んでいく。
オープンにして情報発信して、ともかく人を巻き込んでいく。
巻き込んでいくこと自体が起業プロセスなんですけど、巻き込まれる人が増えてくると、それだけより正しい より適切な、より戦略的な起業プロセスを、チョイスできるようになってくると思います。
特に初期において、起業に慣れてないときに、株式とかあんまり外に出しちゃうと、後で後悔するからっていう話もよくあるんですが、確かに起業の仕方について 一通り経験がある人からすると、僕もそうだと思うし、そんな株式をばらす必要もないとは思うんですけど、全然 経験ない人が、いや 株式も誰にも渡さない、事業プロセスの中心を俺が担うんだ、でも 全然事業について、立ち上げるスキルがないっていうんだったら、その事業自体が立ち上がらないので、遠慮なく株式を配り、配りと言っても 過半数配れとは言いませんけど、誰か信頼できる人に、どれぐらいの資金であれ 1割2割は持ってもらった方が、結果として進めてもらえると思うし。
あと遠慮なく取締役とかも増やして、取締役で入ってくれよと言って、そんな権限を渡していいのか、こんな貴重なアイデアで こんな重要なポジションを、渡していいのかと思うかもしれませんけど、もうバンバン渡してこそ 初めて事業が立ち上がってくるので、遠慮なく巻き込んでいくべきだし。
巻き込んでいくときに、遠慮なく 失うものは 失っていっていいと思うんですよね。
もうちょっと突っ込んで 起業プロセスに関して言うと、最近は『リーンスタートアップ』という本が、ぜひ読んでいただきたいなと思うんですが、リーンスタートアップというやり方が すごく一般的で。
300万円とか500万円ぐらいの調達をして、それぐらいのお金で簡単な製品を作るんですね、ざっくりした製品。
それで実際に売り始めます。
実際 300万円の調達とかで、製品を作れない時もあると思うんですが、作れないときはもう手作業でやっちゃう。
実際に売れるかどうかを蓋を開けていくという。
おもちゃみたいな製品を作って、半分以上手作業でもいいんです。
これで実際に売りに出してみて、売れたとしたら、そのときに初めて投資家に回って、もっとちゃんとした投資家に回って、いや これ製品さえつくれば売れるんですと。
ほら数字見てくださいと。
今はおもちゃみたいな製品でやっていて、半分以上手作業でやっているんで、スケーラブルじゃないんですけど、そんなことは関係ありませんと。
今回 5,000万円出資してもらったら、それでちゃんとしたプロダクトを作れるんでっていう、そういう流れが多いです。
検証フェーズにおいては あまり広報とか広告とかはしないです。
あくまで蓋を開けるというのが重要ですね。
どうですか?

学生A

最初に自分で ちょっとでも思いついたアイデアを、試すっていうことですか?

上田

そうですね 実際に製品を作る。
でも 製品を作るのって 作れないですよね。

学生A

うん。

上田

ただ おもちゃみたいな製品でいい。

学生A

そうですね。

上田

しかも 半分以上手作業でもいいです。
例えば Zapposという会社ね、靴のEコマースで大きくなった会社なんですけど、初めどうしたかと言ったら、近くの靴屋さんへ行って写真を撮って、ネットでアップしたんですよ。
この靴買いませんか?と言って、注文が入ったら靴屋さんに行って買ってくるという。
そんなのスケーラブルじゃないじゃないですか。
利益率も低いじゃないですか。
分かります?
でも そんなことは初期においては 関係ないんですよね。
これぐらいの靴の値段をこれぐらいまで下げると、これぐらい売上が立つと、これぐらいやれば これぐらいの数字が 出るっていうのが見えさえすれば、あとは資金調達して、実際の製造プロセスの方をしっかり仕上げますから、というふうにやればいいということです。

学生A

そういうのも含めて さっきおっしゃった、リーンスタートアップっていうのが そういうこと?

上田

そういう考え方ですね。

学生A

分かりました なるほど。

上田

ちなみにガイアックスの方では スタートアップスタジオっていうのをやっていて、それこそアイデアが1つで、ちょっと仲間もいませんみたいな人でも 全然ウエルカムで。
そういった人と一緒にディスカッションしながら、こっちはエンジニアとかデザイナーとかも いっぱいいるので、あと 会計とか法律とかの専門家もいるので、そういう人たちを必要に応じて活用しながら、ビジネスをつくっていくっていう、そういうようなことをやっています。
普通のベンチャーキャピタルさんが、こう言うとあれですけど、相手しないようなフェーズでも 全然我々は対応していて、むしろ その前のフェーズから 一緒につくっていくっていうのが、ガイアックスのスタートアップスタジオの 特徴ではあります。

起業家を目指している人たちへのアドバイス

学生A

ありがとうございます。
今ざっくり起業のプロセスについて、いろいろ教えてもらったんですけど、最後、起業家を目指している人たちとか 若い人たちに向けて、アドバイスとかいただけるとうれしいです。

上田

アドバイスとしては、まずは起業してみたら いいんじゃないかなと思うんですよね。
結構 学生さんとかからすると、起業とかビジネスって遠い存在だったりするので、本当にともかく起業してみるという。
起業してビジネスを大きくしていくっていうのは、海外に移住するようなものだとしたら、海外旅行1回もしたことないのに、どこへ移住しようか考えてます みたいな感じではあるんですよ。
分かります?
だから、起業っていうほどの起業じゃなくても、商売でも何でもいいので、それこそ今どき別に焼き芋屋の屋台を やらなくてもいいと思うんですけど、ハンバーガーの屋台とか しなくていいと思うんですけど、何か簡単なものからネットでもいいので、起業してみることが大切かなと思いますね。
ただ 忘れてほしくないのは、取りあえず起業というか 商売みたいなものと、ベンチャーというのは全然違っていて、取りあえず起業をしながら、別に 株も配りながら 経営陣も適当に入れながらやってみて、うまくいったらうまくいったし、うまくいかなくても全然 いろんな経験になると思うんですよね。
それとは別に、やっぱりちゃんと起業に関しての肌感がつかんできたら、ちゃんと起業してほしいんですけど、最終的には。
ちゃんと起業するときには、本当に社会的インパクトをベースに、物事を考えてほしいなと思うのですよね。
学生起業家って別に、相対的に優秀なやつが、学生起業家をされていらっしゃるので 全然いいんですけど、得てして結構すごい稼いでいて、給料も1,000万円超えていて 満足していますみたいなケースが、多々あるんですけど、実際 社会にインパクトを与えているのか、社会にインパクトを与えるために どうしたらいいのかっていう観点で、動いてないケースが多々あるんですよね。
やっぱり自分中心じゃなくて世の中中心で、世の中を変えるためにはどうしたらいいのか、っていうことで頭が動くようになると、立派な起業家になれるんじゃないかなと思います。

学生A

上田さんが最近 社会へのインパクトっていう面で、すごいなと思ったビジネスというか 企業って何かありますか?

上田

そうですね やっぱり シェアリングエコノミーの、Airbnbという会社がありますけれども、あれとかすごいですよね。
あかの他人の家に泊まるのが当たり前っていう、文化をつくったという、しかも それをグローバルで 幅広く提供しているというのは、すごいなと思いますね。
ああいうサービスをつくっていきたいなと感じています。

学生A

なるほど ありがとうございました。

上田

ありがとうございました。

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